宝物を守る日々

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Kamiyama side









神「どうした？」









時刻は12時をちょっと過ぎたぐらい。





ちょっと早めのお昼やって、

みんながちらほらケータリングを食べ始めだした頃、





隣の席に座ってた流星が、

携帯を瞬きもせんぐらいじっと眺めたかと思ったら、





いかにも何が気持ちを隠すように、

大きく、ふぅ、と息を吐いた。









藤「…大丈夫、」









でも、仕事モードやからか、

1誌目の撮影が再開するからか、

そう言って、席を立つ。





携帯を持ったまま。





電話でもかけにいったんやろか。









重「大丈夫か？ あいつ、」









そしたら、ちょうど、

ドアのところで流星とすれ違ったしげと目があって、

俺んとこまで来れば、そう言って心配そうな顔をする。





大丈夫、とは言ってたけど、

絶対、大丈夫、じゃない。





耳の手術ってゆうても、耳の後ろなんか頭やし、

Aちゃんも、まだたった2歳やし。





なんかあったんかな、って、

すぐその考えが頭をよぎる。









神「俺が声かけたら、大丈夫、って言われたから、
また、しげも聞いてみて？」

重「ぉん、まあほどほどに、やけどな。」









ほんで、また衣装とメイクが始まる頃に、

流星も戻ってきて、何事もなかったように、

メイクさんと話をしたり、俺らにもいつも通り。









藤「神ちゃん、俺らペアやってー。」

神「はいよー、」









ペアになって、新曲のイメージに合わせて、

ハッピーな雰囲気で撮ったり、

ハッピーについて2人で話したりもなんなくこなす。





流星も大人になったよな。





同い年やけど、俺の方が数年先輩やから、

その姿を見ると自然とそんなことを思ってしまうわ。









ス「では、お二人以上です。 次のお二人お願いします。」

神「あざっしたー。」









ほんで、ちょうど2人の撮影が終わって、

ひと段落ついた頃に、突然こんな声がかかる。









藤「A、手術、成功したって。
ありがとう、心配してくれて。」









ぼそっと、

いつもぐらいのそんなに高くないテンションで。





びっくりした。





不安そうな顔してたから、

なんかあったんやと思ったやんか。









神「んーん、よかったな？ おめでとう。」









そんなんやったら、もっと喜んだらええのに。





でも、なんとなくわかる。





それでもなお、まだ緊張したままの顔をしてること。





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