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Ayuki side
手の甲を見せたピースサイン。
立てた両人差し指を近づける。
右手の親指と人差し指で顎の輪郭をなぞる。
桐山さんが、そう謎のサインを送ってきて、
僕がなんのことやら、とハテナを浮かべていると、
今度は紫のお兄さんも一緒にやり始めて、
そしてなぜか、お前もやれ、って指さしてきた。
「…なんでだよ、」
何をさせたいのか、何の恥をかかせたいのかわからずに、
そのまま見よう見まねで、そのサインを僕もやってみる。
裏ピース、人差し指、顎。
そしたら、
*「…！」
彼女の目が、びっくりするくらい見開かれていた。
「…なにっ？ どうしたのっ？」
かと思ったら、
顔を真っ赤にし始めて、パチパチと瞬きをして、
そんな顔を手で覆って、忙しなく足踏みをして。
あの彼女が。
どうしたものかと、オロオロする僕を、
2人がさらに笑うのが見える。
*「…いーよっ、！」
�爐泙拭�会いたい��
2人が僕にさせたサインが、
そういう意味を持つ手話だったことは、
次の日、早速学校で手にした手話の本を見て
知ることとなる。
▽
▼
▽
「わっ！」
先に支度が終わって、ぼーっとしてると、
突然、手加減なしで背中をひっぱたかれる。
「やめてよ、いきなり…」
そしたら、緊張してんのかと思って、と、
いたずらっ子っぽい笑みを浮かべる彼女。
「そりゃしてるよ。いくら昔から知ってる流星さんでも、
今日は、その…挨拶、なんだから、」
挨拶って今回の場合でも、この手話でいいのかな。
そう思いつつも、彼女には伝わってるようで、
もう一回入れてあげようか？と、
手がまた僕の背中をひっぱたく格好をしている。
「いいよ、もうさっきので十分。」
そう言えば、ちょっと残念そうな顔をして、
まだ髪を巻くのを再開。
寝坊したのは自分のくせに、全く急ぐ気がないんだから。
「早くしないと流星さんに怒られるよ？」
男手一つで子供を守り育てる。
考えただけでも大変なことを、彼女の父親は、
あんな多忙な仕事をしながらでもやってのけた。
今日はそんな彼女の父親に感謝をする日。
そして、これからは僕にそれを担わせてほしいと、
頼みに行くのである。
(END)
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いっちゃん(プロフ) - 初めまして。こんなに素晴らしいお話に出会ったのは初めてです。本当に感動しました。是非続編お待ちしています。これからも応援しています！ (2020年5月5日 17時) (
レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 楽しみに更新待っていました。更新してくださり、ありがとうございます。茉都香さんのお話はどれも引き込まれる内容でとても面白いです。大変だとは思いますが、これからも応援させてください。 (2019年5月3日 1時) (レス) id: 4c544edcc6 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 本当に面白くて大好きな作品になりました！もぉー永久にお話が続いて欲しいぐらい大好きです。これからも応援しています！ (2018年2月11日 13時) (レス) id: dbc0366c84 (このIDを非表示/違反報告)
鳥 - めっちゃ面白いです！こんな何気ない日常や、ラジオの話などを読んですごく笑顔になりました。続き楽しみに待っています！ (2017年10月18日 4時) (レス) id: d107ff32f3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 本当に大好きな作品だったので 続編が始まりすごく嬉しいです。 これからも更新頑張って下さい 更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月11日 13時) (レス) id: 88a4435328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2017年8月26日 11時
