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Ayuki side
「え、本気で言ってる？」
メインホールが準備完了の空気を醸し出してきたから、
そろそろ元いた楽屋に戻ろうと、
再び彼女について行ったのに、
突然、まさかの迷子宣言。
*「…んふふっ、」
そして僕の驚いた顔に、またクスクスと笑う。
行き方はわかるのに、帰り方がわからない。
あれ天然なのかな、と初めて思ったのは、
たぶんこの時だった気がする。
「とりあえず誰かに…ってちょっとどこ行くんだよ、」
誰かに聞けば絶対わかるはず。
そう思ってホワイトボードを借りようとしたのに、
なぜか僕のことが見えないかのごとく、
サァーっと一方向に進んで行く彼女。
*「…ん！ きぃて！」
ふと僕が来てないことに気づいてか、
振り返って、ぶんぶん手招きをする。
そういえばこの辺から、
だんだん彼女の話す言葉が理解できるようになってきた。
「ちょっとそれ貸してよ。」
*「…？」
「ホワイトボード。 貸して？」
*「…やぁっ！」
そして、ただただ自由に進む彼女について行く。
その姿はもう、完全に迷子を楽しみ始めている状態。
ホワイトボード持ち、スキップをしながら、
サラサラと茶色い髪をなびかせて。
もう天真爛漫以外何者でもない。
「もう、勘弁してよ…」
絶対、父に怒られる。
そして、コンサートを見る前なのに、
テンションを下げられるんだろうな、と、
もうすでにテンションが下がり始めてた矢先、
「Aー！ 亜幸ー！」
後ろから、僕らのことを呼ぶ声が聞こえてきた。
「…こっちだよ、」
大声で、そして爽やかに走ってくるお兄さんは、
一瞬流星さんかと思ったけど、よく見たら違う。
何かが聞こえて、きょろきょろしてた彼女に、
声のする方向を教えてあげて。
そしたら、満面の笑顔でお兄さんに手を振ってた。
探しにきてくださっただろうに、反省の色は全くなし。
「おーい、やあらへんわ。笑 とと、怒ってたで？」
お兄さんはそう言って、
両人差し指で頭に二本ツノを生やし、
彼女にムッとした顔を見せる。
すると、それに負けないくらい怒った表情をする彼女。
怒られてるのに喧嘩腰なんて、よほど気が強いんだな。
女の子の強さについて、幼心に驚いた気がする。
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いっちゃん(プロフ) - 初めまして。こんなに素晴らしいお話に出会ったのは初めてです。本当に感動しました。是非続編お待ちしています。これからも応援しています！ (2020年5月5日 17時) (
レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 楽しみに更新待っていました。更新してくださり、ありがとうございます。茉都香さんのお話はどれも引き込まれる内容でとても面白いです。大変だとは思いますが、これからも応援させてください。 (2019年5月3日 1時) (レス) id: 4c544edcc6 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 本当に面白くて大好きな作品になりました！もぉー永久にお話が続いて欲しいぐらい大好きです。これからも応援しています！ (2018年2月11日 13時) (レス) id: dbc0366c84 (このIDを非表示/違反報告)
鳥 - めっちゃ面白いです！こんな何気ない日常や、ラジオの話などを読んですごく笑顔になりました。続き楽しみに待っています！ (2017年10月18日 4時) (レス) id: d107ff32f3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 本当に大好きな作品だったので 続編が始まりすごく嬉しいです。 これからも更新頑張って下さい 更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月11日 13時) (レス) id: 88a4435328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2017年8月26日 11時
