宝物を守る日々

. ページ20

.









東京の仕事を3日間終えて、また病室。





そういえば、最近家になんか、

シャワー浴びにぐらいしか帰ってないなと思いつつも、

やっぱり心配で、病院に直行してしまう癖がある。









藤「ただいま……ちょっと下がったかな、」









3日目の仕事終わりも直行したら、

その日はスヤスヤ眠る姿に会えた。





おかんも寝てて、起こすのは申し訳ないから、

熱が下がったか、ちっこいデコを触って、

そのまま病室内の椅子に座って夜を明かす。





そしたら、めっちゃ身体痛かったけど、

疲れてたんか、思った以上に瞬殺で寝れた。









母「…りゅう、こっちで寝え？」









そして、朝方になって、

おかんに起こされたことによって起床。





おかんもめっちゃ疲れてる顔してた。





そりゃそうよな。





孫が手術して、熱出て、下がって、

ほんでまた熱出て…ってなったら気が気じゃないはずや。









母「どうする？ 一回帰る？」

藤「んーん、ありがとう。 おかん、帰っていいよ。」









その言葉に甘えてくれて、

おかんが荷物をまとめて帰っていった瞬間、





ちょうどベッドがもぞもぞしたかと思えば、

ふわふわと無駄に長いまつ毛が上がる。





朝の診察の結果熱はまだ38度台、点滴も常備。





昨日の時点では、

ごはんもまだまともに食べれてないって。









藤「ん？ 抱っこ？ いいよ、おいで？」









ただでさえ少食やし細っこいのに、

さらに細くなったのはすぐにわかった。





めまいがするんか、抱っこした瞬間に、

目をきゅっと閉じる。





縦抱きはしんどいやろうから、

久々に赤ちゃんの頃みたいに横抱きをしてあげると、

またスヤスヤと眠ってしまった。









藤「…っわ、びっくりした、」









すると、その瞬間に、

かなりでかい音で、ぴこん、とメールの通知。





たぶん、新幹線で目覚まし時計を爆音で設定してたから、

その名残やと思って慌てて音量を縮めるとともに、

メールの中身を確認する。









藤「……はぁっ、？笑」









そしたら、そこには、









今から6人で行く









の文字。









藤「…いやいやいや、笑」









無理やろ。





第一そんなに一斉に来たら絶対バレるから。笑





そう思ってメールを返信してももう遅い。









小「よっ。」









ぞろぞろと男どもが、朝早くからこの小部屋に集まる。





.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す