○Age2 ページ1
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…リンリン、リンリンリン
藤「おぅっ、びっくりした、笑」
背後から可愛らしくその音が聞こえてきたかと思ったら、
突然、すごい勢いで、支度をしている俺の背中に、
それが飛び乗ってきた。
藤「何？ うろちょろせんといて？
俺は今、お前の準備をしてるんやけど。笑」
そう言って、背中にしがみつくのを、
身体を揺さぶって振り落とそうとしたら、
クスクスと、変な笑い声が聞こえてくる。
それと同時にまた、リンリン、と可愛い音がして。
さらに俺にしがみついてくる。
藤「ほんまなに？ まじで。笑
無理やって、今は遊ばんで？」
タンスに服を取りに行くから、
しがみつく手を解いてその場から立ち上がると、
その俺の後をついて、またリンリンという音。
珍しい。
普段、こんなにベタベタくっついてくることないのに。
藤「A？ どした？」
だから、そう尋ねてみた。
後をついてくる音と同じ目線になって、どうした？って。
そしたら、また珍しく、そのまま抱きついてくる。
そっか、今日からなにが始まるか、
こいつもちゃんと理解できてるねんな？
藤「大丈夫、大丈夫。 ちゃんと毎日お見舞い行くから。」
その両耳には、青い補聴器。
そこから紐が伸びていて、俺が選んだ服の襟につながる。
できるだけ近づいて、そう話してやるけど、
その耳には、なにも届いてないって言われた。
音が鳴ってる感覚もなくて、
意外と値段の高い補聴器は、こいつにとって、
ただのアクセサリーみたいにしかなってないんやって。
だから、今日から少し入院して、
左耳に人工内耳を入れる手術をすることになっている。
これでやったら聞こえるよな？って、
いわば最後の望みをかけて。
*「...んふふっ、」
藤「なに？ どっちなん？ ビビってん？ 喜んでん？笑」
もちろん、言葉はまだ出ない。
物の名前も知らんし、意思を伝えるのも難しい。
2歳になったけど、その辺の赤ん坊とそないに変わらん。
自分の居場所も伝えられへんから、
結局鈴に頼ってるしな。
藤「ほんま、お前アホやな？笑」
ぎゅっと一瞬強く抱きしめたって、
離れて、また入院準備を再開。
パジャマとかも、メンバーが、
それのために買ってくれたのをどんどん入れていく。
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いっちゃん(プロフ) - 初めまして。こんなに素晴らしいお話に出会ったのは初めてです。本当に感動しました。是非続編お待ちしています。これからも応援しています！ (2020年5月5日 17時) (
レス) id: a6f24fa91f (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 楽しみに更新待っていました。更新してくださり、ありがとうございます。茉都香さんのお話はどれも引き込まれる内容でとても面白いです。大変だとは思いますが、これからも応援させてください。 (2019年5月3日 1時) (レス) id: 4c544edcc6 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 本当に面白くて大好きな作品になりました！もぉー永久にお話が続いて欲しいぐらい大好きです。これからも応援しています！ (2018年2月11日 13時) (レス) id: dbc0366c84 (このIDを非表示/違反報告)
鳥 - めっちゃ面白いです！こんな何気ない日常や、ラジオの話などを読んですごく笑顔になりました。続き楽しみに待っています！ (2017年10月18日 4時) (レス) id: d107ff32f3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 本当に大好きな作品だったので 続編が始まりすごく嬉しいです。 これからも更新頑張って下さい 更新楽しみにしてます(*^^*) (2017年9月11日 13時) (レス) id: 88a4435328 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2017年8月26日 11時
