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「じゃあ…俺は、のんで。」
お互いが譲り合った結果、
彼が先に名乗ってくれたのはいいけど、
「のん…?」
「そう! ええやろ?
俺は、拾われたペットなわけやし!笑」
なぜか、そんなふざけたことしか言わない。
「本名?」
「まあ、かすってるっちゃ、かすってる。
言うたら、あだ名かなぁ。」
外国人みたいな顔立ちしてるから、
本名でも納得しそうだなと思ったけど、
やっぱり本名ではないらしく、
くわえて、本名は教えてくれない。
「の…のりお? のりゆき? あ、もしかして苗字?
わかった、のえるとか? のえるっぽいよね?笑」
当たったらな、って言われても、
のん、ってあだ名っぽい名前はいくつもあるわけで、
当たるなんてハナっから思ってないし。
「おねーさんは?」
「じゃあ…私は何にしようかなぁ、」
だから、逆に私もあだ名でつきそうして、
変に深くは干渉し合わない仲で良いと思ったんだけど、
「おねーさんはご主人様やから、
ちゃんと名前教えてな?」
まさかのそれはダメだと彼が怒る。
「なんでよ、不公平じゃない。」
「ペットはペットっぽい名前でええの!」
「でもお互い人間だから、
プライバシーってもんがあるよね?」
「やぁや! 俺が知りたいの!」
なんか子供みたいに。
まあ、ミセイネンだし、子供は子供なんだけど。
見た目が大人っぽすぎて、逆に引くぐらい。笑
似合わないよ? そんな子供じみた反応。笑
「もう知らん、勝手に身分証明見る。」
「あー! わかったわかったから!」
でも結局それに触発されて、名前を教える羽目に。
「Aかぁ…ええ名前してるやん!」
上から目線で褒められる。
それはどーも、ありがとうございますー。
「君は…」
「のーん!」
「…のんは、家出はいつまでする気なの?」
そう尋ねると、彼は表情こそ特に変わらないものの、
目の奥がこわばったような顔をする。
「Aちゃんが、許してくれる限り、?笑」
「ふざけないで。」
「2ヶ月…ぐらいかな。 3ヶ月はたぶん無理やから。」
無理って何?
そう聞くと、なんとなくそんな気いするねん、だって。
ますます彼がわからない。
と同時に、ますます彼のことが知りたくなってた。
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恋夏 - のんは子犬に生まれ変わったんですね。涙が本当に止まりません。素敵な小説でした。ありがとうございます (2018年8月2日 18時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)
りぽるん(プロフ) - 茉都香さんの小説を読んでると一気読みしてしまうほどお話に入り込んでしまいます。笑、はっきりしたものが読みたいです。最後どうなったのか詳しく知りたくて…(^^)のんちゃんsideありがとうございます! (2018年1月15日 22時) (レス) id: fa9357a811 (このIDを非表示/違反報告)
しげまる。(プロフ) - 子犬に繋がるのならばどちらでもいいなって思います。更新楽しみにしています (2018年1月15日 18時) (レス) id: b8c40dadba (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - ハッキリとした結末が良いです (2018年1月15日 16時) (レス) id: 68ee6ce1a6 (このIDを非表示/違反報告)
玲夢@低浮上(プロフ) - コメント失礼します!めっちゃ面白くて毎日更新が楽しみでした(*^^*)私はハッキリとした結末が読みたいです!これからもこっそり読ませていただきます(*´ー`) (2018年1月15日 16時) (レス) id: a6dfca7116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 | 作成日時:2017年6月21日 13時