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「そう！ おねーさんっ！ おねーさんしかおらんやろ！」
見た目は同い年ぐらいだろうか。
そんなに大きくない箱に、
おそらく長いのであろう足をかがめて入ってるその男は、
明らか私に向かって、クイクイと手招きをする。
「なんですかっ、？」
「もーっ、そんなんええから！ お願い！ 来て！」
「理由教えてもらわないと嫌なんですけど、」
「お願い！ 助けて！ 出られへんの！」
イケメンだったら許されるなんて、
そんなの世間が作った差別で、
男の人である以上警戒しまくっていたら、
まさかの箱から抜けられなくなってた件。
まあ、その理由で警戒心がなくなったわけじゃないけど、
それで一生入ったままだったら素直に可哀想だなと思い、
「はい、」
せめての手助けで、手首を差し出した。
「え、手貸してよ。」
「初対面で繋がれるのとか嫌なんで、」
「うわー、まじで警戒されてる、笑」
しかも男は、よく聞けば関西弁を話す。
こんな東京の都会外れに何してるんだろう、
とか思いつつも、
彼を引っ張り助けてあげれば、とりあえずは一件落着。
「…っふぅ、おねーさん、ありがとー！」
「早く帰ってくださいね、おやすみな…」
「あー！ まって！ お願い！ まって！」
だから、すぐさまその場から立ち去ろうとしたのに、
まだ用があるのか、随分と大きい声で引き止められる。
ちょっと、さすがに気持ち悪くなってきた。
「なんですか？ 酔っ払いですか？」
「酔っ払い！？ ちゃうって見て！ ここ！」
そして、拾ってください、の文字を指差す。
「おめでとうございまーす！ おねーさんはたった今、
このイケメンDKくんを拾いましたー！」
さらに、大きな声。
もっと閑静な住宅街に住んでたら、全家庭に届きそうな。
「は？」
いやいや、私はそこに感心している場合じゃない。
拾いましたー？ 何を言ってるんだ、彼は？
私はただ手を引っ張れって言われて、
手を引っ張ってさしあげただけですけど。
全く意味わかんない。
「おめでとうございますっ！」
「なに、気持ち悪いんですけど、」
「えー！ なんでそんなこと言うっ、けほっ、」
大きい声出すから、むせてるし。
そんな全く非現実的なナンパをするからだよ、ばーか。
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恋夏 - のんは子犬に生まれ変わったんですね。涙が本当に止まりません。素敵な小説でした。ありがとうございます (2018年8月2日 18時) (
レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)
りぽるん(プロフ) - 茉都香さんの小説を読んでると一気読みしてしまうほどお話に入り込んでしまいます。笑、はっきりしたものが読みたいです。最後どうなったのか詳しく知りたくて…(^^)のんちゃんsideありがとうございます！ (2018年1月15日 22時) (レス) id: fa9357a811 (このIDを非表示/違反報告)
しげまる。(プロフ) - 子犬に繋がるのならばどちらでもいいなって思います。更新楽しみにしています (2018年1月15日 18時) (レス) id: b8c40dadba (このIDを非表示/違反報告)
有香(プロフ) - ハッキリとした結末が良いです (2018年1月15日 16時) (レス) id: 68ee6ce1a6 (このIDを非表示/違反報告)
玲夢@低浮上(プロフ) - コメント失礼します！めっちゃ面白くて毎日更新が楽しみでした(*^^*)私はハッキリとした結末が読みたいです！これからもこっそり読ませていただきます(*´ｰ｀) (2018年1月15日 16時) (レス) id: a6dfca7116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2017年6月21日 13時
