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「…いってきまーす！」
そこから、その愛着障害の影が、
周りから気にならないようになるまでには、
5年の歳月がかかりました。
「…あ！ おにいちゃん！ おにいちゃん！」
だいちゃんは6年生、ともは4年生。
ともが呼びやすいよう、うちでは、
おにいちゃん、という愛称になっただいちゃんは、
この時には、声変わりも始まって、
身長も158cmの私を、ちょびっとばかり抜かすくらい。
順調にすくすくと、
もはや元気すぎるなぁと思うほどに成長していた、
のですが、
「…んー？ なにぃー？」
ともの身体の弱さだけは、
なかなか成長してくれませんでした。
「…お休みの連絡帳。
今日も、ともの先生まで持っていってくれへん？」
照史くんのおかげで、
だんだん話せるようには、なってきてたんですけどね。
「…おぅ！ りょーかい！ まかせといて！
じゃあ、いってきまーす！」
こんな風に学校をお休みすることは、しょっちゅう。
強がりやから、学校で我慢して倒れたりすることも、
1.2年生の時は、日常茶飯事でした。
「…ふぅ。」
元気なおにいちゃんを見送って、一息つき、
リビングに布団を敷いて眠る、とものもとへ。
ちなみに、ともからは、
愛着障害の傾向は見られませんでした。
集団生活をしてみても、身体が弱いこと以外は普通。
あと、少しお話が苦手なことも。
同じ家庭環境に生まれてきたのに、
2人にそんな違いがあったのは、
正直これだと断言できる理由はない、
と、照史くんからは言われていたのですが、
「…それはだいちゃんが、ちゃんとともに、
愛情をもって接してたからちゃうか？」
そう聞いた時は、
本当におにいちゃんを褒めたくなりました。
自分は辛かったはずなのに、
弟はしっかり守ってあげられてて、偉かったね？と。
実際に褒めてやれば、照れ臭そうに笑っていました。
「…熱高いねー？ 冷えピタ変えよっか？」
布団でうとうととしてる、とものおデコに手を当て、
相変わらずの熱さに思わずため息。
季節は冬から大寒にかけて、世間でも1番辛い時。
乾燥しきったパリッパリの空気が、
さらにともを苦しめました。
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神山もか. - このお話初めて読ませていただきました！涙最後まで止まらなくて…凄く感動しました！明日、目がパンパンです(汗)またすぐ読みに来ます！ (2019年9月16日 0時) (
レス) id: 8360bad8dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆの - このお話を初めて読んだのは1年以上前なのですが、すごく印象に残っていました！ 久しぶりに読んで1回目に読んだ時よりも感動しました！ このお話がもっとたくさんの人に届いたら良いですね！ またいつか読みに来ます(*^∀^*) (2019年8月22日 2時) (レス) id: 42506c5c03 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ほんとに終始、ボロ泣きでした。ステキなおはなしに出会えてよかった。ありがとうございました！ (2019年4月16日 2時) (レス) id: 735c60907d (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 占ツク読み始めてもう4年目ですが初めてコメントをしたいと思った作品でした。児童虐待がちょうど問題になってる今この小説を読んで 色々考えさせられたし 将来は子供と接する機会が多いし仕事に就きたいと思っていたところだったので とても勉強にもなりました。 (2019年2月12日 2時) (レス) id: 394d79a368 (このIDを非表示/違反報告)
とーまと - 感動して、3回読み返しました笑目がパンパンです笑これからも頑張ってください！ (2019年2月3日 17時) (レス) id: 8120a2582a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2016年12月25日 23時
