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「…ただいまー。」
その日は平日で、旦那は普通に仕事でした。
子供達を迎えに行く日だからって、
仕事を休んでくれようとしたんですけど、
有給を使うならもっとこの先、
この子たちとどこか出かける時に使ったら？と言えば、
確かにそうやなぁ、って納得し始めて。
なので私1人でお迎えに行き、
手を繋いだりしてもいいのかわからないまま、
3人で帰ってきました。
「…ただいま、」
玄関の扉を開け、私が行った後に、
小さくだけどそう言ってくれた、お兄ちゃん。
なぜかそのあとは、私の方をじぃーっと見つめて。
「…ん？ なに？」
どうしたんやろう、と思って尋ねてみたけど、
そんな私を見る彼は、まだ悲しそうな顔のまま。
当時から長くて黒い睫毛が、ふわりと伏せる。
ますます、不安が募りました。
「とりあえず、お昼ご飯食べようか！
お腹すいたよね？ ちょっと待っててね？」
沈黙になるのが怖くて、
私はそそくさとエプロンを絞め、台所へ。
今思ったら最低ですね。
好きにしてていいよ？って言っても、
そんな始めてきた場所でくつろげるわけないですもん。
「はい、できたよー！」
そんなこと、その時の私はつゆ知らず。
念入りにハウスダストを除去した、
ソファーにいる彼らをちょくちょく見ながら、
さっさとご飯を作って、食卓に持って行きました。
気持ちが舞い上がってたんですかね。
だって私にとっては、
憧れのお母さんになれた瞬間だったんですもの。
「大毅くんはここ、智洋くんはここに座ろっか？」
里親になることが決まった瞬間に、
勢いで購入してしまった子供用のイス2つ。
そこに座ってもらって、
目の前に小さく盛ったチャーハンを置きました。
その隣には一緒に買った小さなスプーン。
「…いただきます！」
そう言えば、お兄ちゃんだけが、
私の後に続いて言ってくれました。
「ありがとうね、大毅くん。
智洋くんは、これから一緒に覚えよっか？」
まだ私の目さえ見てくれず、
ちっちゃいお口でもきゅもきゅ、
チャーハンを食べてた、弟くん。
その小さな手は、
怯えるように震えていました。
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神山もか. - このお話初めて読ませていただきました！涙最後まで止まらなくて…凄く感動しました！明日、目がパンパンです(汗)またすぐ読みに来ます！ (2019年9月16日 0時) (
レス) id: 8360bad8dc (このIDを非表示/違反報告)
ゆの - このお話を初めて読んだのは1年以上前なのですが、すごく印象に残っていました！ 久しぶりに読んで1回目に読んだ時よりも感動しました！ このお話がもっとたくさんの人に届いたら良いですね！ またいつか読みに来ます(*^∀^*) (2019年8月22日 2時) (レス) id: 42506c5c03 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ほんとに終始、ボロ泣きでした。ステキなおはなしに出会えてよかった。ありがとうございました！ (2019年4月16日 2時) (レス) id: 735c60907d (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 占ツク読み始めてもう4年目ですが初めてコメントをしたいと思った作品でした。児童虐待がちょうど問題になってる今この小説を読んで 色々考えさせられたし 将来は子供と接する機会が多いし仕事に就きたいと思っていたところだったので とても勉強にもなりました。 (2019年2月12日 2時) (レス) id: 394d79a368 (このIDを非表示/違反報告)
とーまと - 感動して、3回読み返しました笑目がパンパンです笑これからも頑張ってください！ (2019年2月3日 17時) (レス) id: 8120a2582a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉都香 | 作成日時：2016年12月25日 23時
