6. ページ14
.
自分の手に乗っているヌナの手を取って、指を絡めてそっと握る。
「ありがと、ヌナ」
照れ臭くて、その手に視線を向けたままそう言うと、Aヌナは「待って、泣きそう」と片手でパタパタ顔を煽いだ。
いつの間にか、少し目が潤んでいるヌナ。最近、涙腺緩くなったんじゃない？それくらい、素直に泣くことが増えてきてる気がする。
『皆でWe Go Up聞いた時は、スチョナの新しい門出をお祝いしなきゃって思ってたけど、』
「うん」
『…やっぱり送り出すのって、すっごく寂しいや』
「…うん……ヌナ、俺のこと忘れないでね」
『ねぇ…忘れるわけなくない？もしスチョナがWayVの活動楽しすぎて私のこと忘れちゃっても、私は絶対に忘れないよ』
「なにそれㅋㅋㅋ」
『信用出来ないなら、鬱陶しいくらいに毎日連絡する。私、ウィンウィンへの愛はテイリヒョンと悠太にも負けない自信あるよ？』
「……っふふ」
『…分かってくれた？』
「うん、分かった」
『良かった』
ずるいなぁ、Aヌナ。ようやく俺が笑ったからか、安心したような顔しちゃってさ。俺はヌナの目尻に浮かんだ涙を、手を伸ばしてそっと指で拭ってあげた。
『…家だったら、多分嫌われるくらい泣いてたよ』
「嘘だぁ」
『ほんとだよ？』
真面目な話したからお腹空いちゃった、もう食べていい？とケーキに手を伸ばすヌナ。愛おしさが込み上げてきて、俺は笑いながら頷いた。
『もースチョナ、笑ってるけどお願いはあと2つ残ってるんだからね？ちゃんと考えて〜』
「ええ〜うーん…じゃあジェヒョンの」
『やだ』
「まだ言ってないじゃん！」
『ユノ絡むとめんどくさいの分かるから、やだ』
「何でよ〜ヌナ〜」
『嫌でーす』
「……何…今日わがままなの？」
『その言い方……』
やっぱり似てる、と渋い顔をするヌナ。その顔が何か無性に面白くて、思わずスマホを取り出して写真を撮った。
『……ちょっと、何で撮ったの？』
「可愛かったからㅎㅎ」
『えーじゃあ私も撮らせて』
「しょーがないなぁ、可愛く撮ってね♡」
『んースチョナキヨウォ♡♡♡』
「……」
『無視は良くないよ？』
二人して外で何をやってるんだろうか。もうニヤニヤが抑えられなくて、ぶはっと吹き出しながらヌナを見ると、ヌナも耳を真っ赤にして笑いながら「二人で撮ろう」とカメラを向けてきた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1526人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
madohun(プロフ) - wakaさん» わーい🙌wakaさん、いつもメッセージありがとうございます💓めちゃくちゃ励みになってます🥹 (2022年12月8日 15時) (
レス) id: e024487214 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 更新ありがとう😆 (2022年12月8日 4時) (レス) @page45 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - ジンリさん» ジンリ様、遅くなりましたがこちらこそありがとうございます！変わらず読んで頂けて嬉しいですㅠㅠ (2022年9月30日 7時) (レス) @page24 id: 6f04128496 (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 新作嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年9月17日 15時) (レス) @page17 id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - wakaさん» わーただいまです💗ありがとうございます！是非楽しんで頂ければ幸いです🥺 (2022年9月15日 19時) (レス) id: 6f04128496 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：madohun | 作成日時：2021年1月10日 12時
