4. ページ12
.
『スチョナ、2つ目のお願いはどうする？何か欲しいものがあれば、今日一緒に選ぼうよ』
ヌナが「かわいい」とケーキの写真を撮りながら俺に聞く。
「それなんだけど、」
俺もせっかくだし写真を撮る。
「…ちょっと真面目な話しても良い？」
『……真面目な話？』
そう、二人で出かけたかった理由はもう一つ。どうしてもAヌナに話しておきたいことがあった。
ヌナはスマホを置いて、姿勢を正して俺に頷いた。
「えっと……俺、年明けたら本格的にWayVの活動に移るでしょ？そうしたらイリチルからはしばらく離れることになるじゃん」
『…そうだね』
「だけど、どれくらい離れるか分からないし、そもそも戻るかどうかも分からないし…」
『……うん』
「………今回、ジョンウが加入してイリチルは11人になったでしょ？今までの曲の練習とか、ものすごく大変だと思うんだ……フォーメーションも変わるし…」
ヌナは黙って俺の言葉を待ってくれている。次に何を話すか頭の中で整理しないと、どんどん溜まってパンクしそうだ。
「……俺が抜けたらまた10人に戻って、でもそれって元々の10人とは違うから、またダンスの練習がごちゃごちゃになって……すごく大変だと思う、でも皆はそれを普通にこなしていくじゃん…当たり前だけど………」
『そうだね』
「新曲も、これからもきっと沢山出るだろうし……コンサートとかもさ、やるでしょ？」
何となく、俺が何を言いたいのかAヌナが察し始めたみたい。その証拠に、眉毛がちょこっと下がって困ったような表情になっている。
「………俺が居なくなっても、俺も参加してた曲は絶対にどこかでパフォーマンスするでしょ？そうしたら……きっとその時は誰かが、俺の穴を埋めることになるじゃん」
『………うん』
「………これが2つ目のお願いなんだけどね、」
俺はテーブルの上でぎゅっと手を握ると、目の前のヌナを真っ直ぐ見つめた。
「Aヌナ、俺のとこはヌナにやって欲しい」
『………』
ずっと思ってた。俺が抜けたら、俺のポジションは誰が引き継ぐんだろうって。
きっと、ジョンウがそこを埋めてくれるんだと思う。でも、ただでさえ今までのダンスを覚えなきゃいけない中で、元々居たメンバーのパートまで負担させるなんて、あまりにもハードすぎる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1526人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
madohun(プロフ) - wakaさん» わーい🙌wakaさん、いつもメッセージありがとうございます💓めちゃくちゃ励みになってます🥹 (2022年12月8日 15時) (
レス) id: e024487214 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 更新ありがとう😆 (2022年12月8日 4時) (レス) @page45 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - ジンリさん» ジンリ様、遅くなりましたがこちらこそありがとうございます！変わらず読んで頂けて嬉しいですㅠㅠ (2022年9月30日 7時) (レス) @page24 id: 6f04128496 (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 新作嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年9月17日 15時) (レス) @page17 id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - wakaさん» わーただいまです💗ありがとうございます！是非楽しんで頂ければ幸いです🥺 (2022年9月15日 19時) (レス) id: 6f04128496 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：madohun | 作成日時：2021年1月10日 12時
