プロローグ ページ1
.
忘れもしない、その日は11月にしては珍しく大雨で、寒い日だった。
「NCTに合流してもらう」
ボーカルのレッスン中だった私が会議室に呼ばれて行ってみると、そこにはイスマン先生と幹部の方らしい男性が3人。その幹部の中には、2ヶ月前にスカウトしたいと私に声をかけてきた人もいた。
外は大雨で、風に煽られた雨粒がバチバチと窓を打つ音だけが会議室に響く。
静かな空間の中で、返事を促すように4人の大人の目がじっと私を見つめていた。
…というか、
『あの…NCTって去年デビューしたボーイズグループで合ってますか…？』
「ああ」
当たり前だというような返事に、私の頭は混乱する。とりあえず、NCTというのは私が知ってるNCTで間違いないようだ。でも、それなら尚更どうして…？
そのとき、コンコンとノックの音がして、私の真後ろのドアが開いた。
「失礼します」
入ってきたのは、Tシャツにジャージ姿の練習生が2人。緊張しているのか、そろそろと入ってきた彼らはこちらを見ると小さく会釈をした。
あ、この人たち顔見たことある。たしかルーキーズの人たちだ。
「君たちのデビューが決まった」
イスマン先生は、私の話が途中なのに、彼らに話しかけた。デビューの言葉に、パァッと嬉しそうな表情の彼ら。
「君たちは全員NCTだ」
…さっきのってやっぱり聞き間違いじゃなかったの？君たちって、私も含まれてるの？戸惑って何も言えない私に気づいたのか、幹部の男性が口を開いた。
「A、君を入れた紅一点グループとしてNCTは生まれ変わるんだ」
『紅一点ですか…？』
紅一点ってことは、ヨジャは私ひとりってこと？
紅一点という言葉に反応したのは、私だけではない。隣に立っていたルーキーズの人たちも「えっ」と声を上げた。
「実は、ボーイズグループに一人女性を入れるという話は前々からあったんだ。そして君をスカウトしたとき、ビビッときた。こういう子がいいかも知れないってね」
満足そうに頷き合う幹部の人たちとイスマン先生。もともとそういう話があったなんて知らないし、何故私が選ばれたのかもよくわからないけど…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NCT」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
madohun(プロフ) - マナさん» マナ様、ありがとうございます！嬉しすぎます(TT) (2020年6月11日 18時) (
レス) id: 2d7e108bce (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - すきです〜！！ (2020年6月11日 5時) (レス) id: 487e7a5c3b (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - ジンリさん» ジンリ様、嬉しい感想ありがとうございます！ドリムの皆はかっこよくしてても、ヌナの前だときっと弟全開だろうなと思って書いております！笑 ドリムに限らずヒョンたちも可愛いなと思って頂けるよう、頑張ります(^^) (2020年6月9日 15時) (レス) id: 2d7e108bce (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 連日更新して頂き楽しく読ませて頂いてます(^-^)メンバーがヌナに会えるのをワクワクしてるところや、気になってるところが可愛らしくてにやけてます笑ドリムちゃんたち特にかわいいですね笑更新大変だと思いますが応援してます！ありがとうございます！！！ (2020年6月8日 18時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
madohun(プロフ) - あめさん» とんでもないです。貴重なご意見ありがとうございました！これからも是非楽しんで頂けるように頑張ります(^^) (2020年6月7日 11時) (レス) id: 2d7e108bce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：madohun | 作成日時：2020年6月2日 14時
