Acht. ページ7
何度だって、名前を呼びたい。
何度だって、その肌に触れたい。
夢の中で私に笑いかける彼女に、もうずっと焦がれ続けている。
「何時になったら会えるんだい…?A」
私は求めている。
あの日、私を包んだ美しい純潔を。
あの日、私に言った言葉の信実を。
彼女の美しい救済を。
あの日からずっと、ずっとだ。
何処に居ても何をしていても、あの笑顔のために呼吸をしている。
耐え難くなれば、この身を投げ、痛めつけて。
そうして確かめる。
やはり自分は死ねないと。
彼女がいる限り、自分の生きる理由はそれだと。
“Please alive with me.”
その言葉が、私をこの光の中に留めている。
____「それ、どういう意味で言ってるんだい?」
____「え?私といっしょに生きてって」
____「そうじゃなくてね?それだと、その……
____「ちがうよ。だってプロポーズは
____「うむ……まあそれはそうなんだけどね?」
幼心に惹かれた。
彼女は幼くも美しかった。
穢れを知らず、真っ直ぐに。
人の闇を見ていた私を、光の中に引き上げるように。
その言葉が、あの笑顔が、私の“生”の全てで。
どうしようもなくその光に焦がれていた。
例えその光に灼かれて落ちてもいいと思えるくらい。
あの幼かった少女は、どんな風に変わっているのだろうか。
____「じゃあこうしよう」
____「なに?」
____「君が、私の生きる理由になるんだ」
____「どういうこと?」
____「だからね、A。君は私のお嫁さんになる。そして、死ぬ迄ずっと一緒にいるんだ。君が私といる限り、私は君を遺して死ねないからね」
____「うーん?それでお兄さん、幸せになれる?」
____「……うん」
____「じゃあそうしよう!お兄さんが泣かなくていいように、私がそばにいてあげる!」
君が好きだ。
ずっと好きだ。
君は私の光だ。
私の幸せだ。
もう一度君に会いたいんだ。
そして、今度は私から言おう。
君がくれた愛の言葉を、君に。
だから、早く君にこの想いの全てを打ち明けたい。
君の熱を私に思い出させておくれよ。
「
____
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チョコ - 私中也が推しなんですけど、中也落ちでとてもおもしろかったです!文章の書き方凄くお上手ですね…素敵な作品有難う御座いました! (11月2日 20時) (レス) @page36 id: 521e64f565 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと(プロフ) - 立原が好きで一気に読ませてもらいました!! 落ちは素敵帽子君でしたけど素敵なお話でとても満足です 素敵なお話有難うございました!、 (2019年8月15日 16時) (レス) id: 4ba8ceef5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - とても面白かったです!!!続きが気になり一気に読んでしまいました笑 素敵な作品を作ってくださりありがとうございました♪ (2017年10月5日 9時) (レス) id: b2880a4db3 (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - 立原落ちの小説なくって...立原落ちの小説じゃなかったけどとても面白かったでした!!道造の小説増えて欲しい... (2016年12月14日 20時) (レス) id: c36e1fb932 (このIDを非表示/違反報告)
命乱(プロフ) - 所で…立原落ちの長編小説をリクエストって出来ないですよn((貴方様が書いてくれたら、もっとファンが増えるかと思ったんです…(・ω・`) (2016年11月24日 1時) (レス) id: 7f8e3351f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一華 顕音 | 作成日時:2016年8月5日 22時