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よろよろとおぼつかない足で燃えている建築物の近くへと行けば、その前には、逃げ出すことができたであろうすすだらけの人達が座りこんでいる。


……先程よりも強い熱風を全身に受けた。まるで火の中いるみたいに、熱い、熱い。


建物の骨組みを炎が呑み込んで、倒れて、火花が散った。まるで水を得た魚のように大きなうねり声をあげて爛々と燃えさかる。


ただ呆然と立ち尽くして状況をゆっくり噛んで飲むように理解すれば、何かに弾かれたように携帯を持って電話番号を押していた。


えっと…こういう時って警察を呼ぶんだっけ?それとも消防署?救急車?番号は?110?11…8?あれ…何か違うな…119だっけ?


心臓の音が段々と大きくなって、息も上がってくる。混乱しちゃ駄目というのは分かっているのに…ほら、指先が震えてる。


それでも何とか番号を押して、携帯を耳に当てた。事の状況、場所などを伝えれば、「すぐに向かいます」と通話を切られる。警察、消防車、救急車も呼んだ。


炎は勢いを増して黒煙を立ち上らせ__全てを焼き尽くしていく。遠くの方で、サイレンの音が聞こえた気がした。





火は、一時間弱ほどで消し止められた。幸い、死者は出なかったらしい。通報者ということで警察から事情聴取を受けて、今は朝方。流石に一睡もしてないので段々と眠くなってきた。


欠伸を一つ噛み殺して、真っ黒に焦げた建築物を見上げる。木造建築物だったので火の手が回るのが速かったらしい。


自分の住んでいる場所でもないのに何故か虚しくなって視線を逸らせば、この建物の名前であろう表札が目に入った。


『木馬荘』


……ん?


おっと、ついに目の老化か?と思いつつ目を擦って、もう一度表札の方に目を向ける。


『木馬荘』


……冷や汗が止まらないのは何故だろう。この場面に見覚えがあるのは何故だろう!あれ、まさか私…とんでもない事に首を突っ込んだんじゃあ…。


「…おや、貴方は…」


聞きたくない声第一位が後ろから聞こえてきて、思わず肩がはねあがった。スローモーションのように振り向けば、愛想良い笑顔を浮かべている糸目の男性。


【教訓その二、糸目の人を見かけたら逃げる】


………逃げてもいいですか?



ーーーーー
コメントかえ(ry


羅鳥さん
【FBIのスパダリスナイパーな隈さんに森の中で出会ったら即逃げよう】という看板を見つけました。

aoさん
了解しました。主人公にはどんどんと冷や汗をかいて貰いましょう(笑)

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寝子 - ウミウシになっちゃえばいいんだ!!これ大好き (2月18日 23時) (レス) @page42 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
まる - ウミウシで盛大に吹きましたありがとうございます笑 (7月22日 11時) (レス) id: a2e96a3a87 (このIDを非表示/違反報告)
ディちゃん(プロフ) - うwみwうwしwwwww (2022年3月18日 13時) (レス) @page42 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - にょさんさん» いやわかればええやろ (2020年11月17日 23時) (レス) id: dd314e797a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ウミウシの説明がじわりますw (2018年4月9日 16時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リッタ | 作成日時:2016年12月17日 14時

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