□ ページ32
__その日事件は起きた。
糸目さんと別れた後、コンタクトレンズを笑顔の素敵なお姉さんから受け取って、血のついてしまったタオルの買い替えをして、アパートへと戻った。
先日、ジンさんの手当ての際にドタバタしてしまったのを下の階に住んでいるおじいちゃんに謝りにいきました。どうやら、私の足音のせいで入れ歯が3回くらい取れたらしい。ごめんなさい。
そんな入れ歯がぐらついているおじいちゃんに、菓子折りとしてせんべいを渡したのはまずかっただろうか。いや、悪気はないんですごめんなさい。
その後は家に帰って、浴室に買ったばかりのタオルを仕舞っていた時にふと違和感。置いてあったはずだった、ジンさんの血付きタオルが無くなっていることに気がついたのだ。
今日は燃えるゴミの日ではないし、タオルは浴室に置いていたのだが…それが無い。家中をくまなく探したが…見つからない。不思議に思いながらも、そこで私は気づきたくないことに気がついてしまったのだ。
…もし、誰かに持ち去られたとしたら?
その考えを否定できないのが悲しい。血液を調べれば、その血液の持ち主の全ての情報が分かるといっても過言ではない。じゃあ誰がそんなことをやるんだということになるが、それはもう…分かりきっている。
つまり、組織の誰か、あるいはジンさん自身が私の家に入り込んで持っていたということになるが……って、え?『組織の誰か』?
………夏でもないのにゾッとしたのは言わないでおく。
まぁそんなこんなで慌てて色々なことをしていれば、今の時刻は…あらびっくり、もう深夜をまわっている。
さぁ、寝ようと考えたところで、再び嫌なことを思い出してしまう。
曲がり角に置きっぱなしの傘を取りにいかねばならないことを。
傘ぐらい良いじゃないかと思うかもしれない。でもあの傘、地味に高かったんだよ!無地だけど!
朝に取りにいっても良いけれど…糸目さんに会うかもしれない。高確率で。
……結局色々考えた結果、傘を取りに行こうということになって、今私は曲がり角にいます。取り合えず傘を盗られていなかったことに安心。無地の傘万歳。
さぁ目的も果たしたことだし帰ろうとしたところで、またもや違和感。道の向こう側が、何故か明るい。
それに惹かれるように歩いて行き、思わず言葉を失った。
ごうごうと燃え盛る建築物。距離は離れているはずなのに、熱風がここまで来ている。
「えっ……!?」
1966人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寝子 - ウミウシになっちゃえばいいんだ!!これ大好き (2月18日 23時) (レス) @page42 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
まる - ウミウシで盛大に吹きましたありがとうございます笑 (7月22日 11時) (レス) id: a2e96a3a87 (このIDを非表示/違反報告)
ディちゃん(プロフ) - うwみwうwしwwwww (2022年3月18日 13時) (レス) @page42 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - にょさんさん» いやわかればええやろ (2020年11月17日 23時) (レス) id: dd314e797a (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - ウミウシの説明がじわりますw (2018年4月9日 16時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リッタ | 作成日時:2016年12月17日 14時