【名探偵コナン】最強というモノ程、理不尽なことは無いと思う。 (ページ28)

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しまった、喋り過ぎたかもしれない…。

だってこんなにも頑張って言葉を続けたのに、ジンさんは何も言わない。更に言葉を続けようとすると、黙れの一言。

無視か？無視なのか？新手の嫌がらせか？……泣いていいかな？

恐怖と虚しさで今にも目頭が熱くなりそうなのをぐっと堪える。ここで泣かない私のメンタルを誰か誉めてください。

「……」

沈黙。耳が痛いほどの静かさが、この場を支配していた。手に汗がじんわりと滲む。そのまま伺っていること数分。…その数分が、私には何時間にも感じた。

不意にジンさんの手が動いた。額から銃口が離されていく…訳ではない。

むしろ…引き金が……引かれている？

「…っ」

ついに、ぼやけている両目が錯覚でも起こしたのだろうか。だって、このまま、引き、金を引かれた、ら…。

死ぬ。

体が強ばるのが…血の気が引いていくのが分かる。死ぬ。今、ここで。

＿抵抗しろ。

頭では分かっている。けれど、体が…動かない。まるで床に縫いつけられているみたいに。無理だ、無理だ、無理だ。

「…てめぇには悪いが、始末することになってるんでな」

スローモーションのように、引き金がゆっくりとゆっくりと引かれた。その瞬間、色々な感情が弾けて、私の視界は暗転した。

□

ジンが引き金を引きかけた瞬間、コートの内側が震えた。

掴んでいたAの手首を離して携帯を取り出すと、ディスプレイに表示されていたのはウォッカからの着信。

ボタンをタップして耳に当てると、焦ったような声が聞こえてきた。今の状況、どこで落ち合うのかを簡潔に伝えてから、ジンは通話を終了した。

ジンは再びAの方へと視線を戻すが、目の前に彼女はいなかった。否、床に倒れていた。

「ハッ…この状況で気絶するとは呑気な奴だな」

もう一度Aの…今度は頭に狙いを定めると、その引き金をゆっくりと引いた…が、弾は出ない。

「…弾切れか。フン、運の良い奴だ」

ベレッタを懐に仕舞ってから立ち上がると、腕に鈍い痛みが走る。反射的に腕を押さえてそちらに視線を向けると、丁寧に巻かれた包帯。

ジンはチラリとAを横目で見たあと、ドアノブを捻ってその場を後にした。

雨はまだ、降っていた。

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ジンのコレじゃない感が半端無い気がします。コメント返しです。

羅鳥さん
コメントありがとうございます。お姉さんと言われて傷ついたのなら、おじさんと言われて傷ついたのでしょうか…(笑)