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ページ26

さっきと同じような方法で、上半身と下半身をバスタオルで覆う。

それで分かった傷口の場所は、両腕と両足。幸い、急所となる部分には血が滲まなかった。…多分、雨のせいで中々血が固まらずに、流れ出ていったのだろう。それで、失血してしまって意識がない…と思う。

どんなことをすれば、こんなに傷を負うんだろう…。

そんなことを思いながらも、傷口にタオルをあて軽く握る。直接圧迫止血法というやつだ。

丁寧に、慎重に止血を施していき、傷口周りに消毒液を塗って…清潔なガーゼをあてて、包帯で巻いていく。

最後の傷の処置が終わったころには、溜めに溜めていた息を盛大に吐き出していた。

「…疲れた…肉体的に…精神的に」

両手にはめてあったビニール手袋をはずし、よろよろと腕を伸ばして毛布を手に取り、お姉さんに再び掛ける。

…お姉さんが起きたら、この状況をどうやって説明しよう…。道端で気を失っていたから、介抱しました…って?うわぁ…絶対変な目で見られるよね…。

あぁ、どうしよう…と頭を抱えていると、お姉さんのうめき声が聞こえた気がして。

慌ててそちらを振り向いたけど…うん。

長い前髪のせいで顔が見えません。


失礼だとは思いつつも、お姉さんの前髪を掻き分けようと伸ばした手……いや、正しく言うと手首を誰かにガシリと捕まれる。

その手は…言わずもかな、お姉さんのもので。

突然のことで、頭が空っぽになってしまった私は、すぐに正気を取り戻してお姉さんの方へと再び目を向けた。

長い前髪の隙間から見える、凍てつくような翡翠色の目と目が合ってしまった私は、蛇に睨まれた蛙のようで。

…視線がそらせない。体も動かない。悲鳴も…何も出ない。通り魔に襲われた時と、同じ感覚。

そのまま何もできないでいると、お姉さんの空いた方の手が動き、コートから何かを取り出すと、ごく自然な動作で…私の額に、その冷たい何かを当てた。


_拳銃…?

顔から嫌な汗が吹き出して、視界が歪んでいく。それでも私が気を失わなかったのは、痛いくらいに感じるお姉さんの殺気のせいだ。

不意に、お姉さんの口が開いた。

「……何者だ?」



ーーーー
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ますしんさん
主人公はお人好しなんです。お人好し鈍感不幸体質ヒーロー…って名前が長いですね。では、略して隠れゴリラにしましょう。

ひなさん
作者も主人公とジンを関わらせたいです。ひなさんはジンがお好きですか?でしたら、作者と同じですね(`∀´)

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寝子 - ウミウシになっちゃえばいいんだ!!これ大好き (2月18日 23時) (レス) @page42 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
まる - ウミウシで盛大に吹きましたありがとうございます笑 (7月22日 11時) (レス) id: a2e96a3a87 (このIDを非表示/違反報告)
ディちゃん(プロフ) - うwみwうwしwwwww (2022年3月18日 13時) (レス) @page42 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - にょさんさん» いやわかればええやろ (2020年11月17日 23時) (レス) id: dd314e797a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ウミウシの説明がじわりますw (2018年4月9日 16時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リッタ | 作成日時:2016年12月17日 14時

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