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<04…Gin> ページ22

雨が降っていた。小雨だとは言いがたい雨粒がパラパラと傘に当たって跳ね返って。その音を聞きながら、水溜まりを避けて歩いていた。

時刻は夕方。辺りはうす暗く、コンタクトレンズをつけていないせいで視界は不明瞭。

何故コンタクトレンズをつけていないかって?今日の昼下がりに洗面所に流されていったのだ。どんぶらこ、どんぶらこ、と。……桃太郎の桃じゃないんだけどね…。

そのコンタクトレンズを買いに行ったのだけど…まぁ在庫が無かった訳ですね、はい。受付のお姉さんに「明日以降に取りに来てください」と笑顔で言われましたよ、はい。 許す!!


まぁそんな訳で今は帰宅途中だ。近道をしようと思い、いつも使っている道へと足を踏み入れる。

雨が一層強くなった気がした。



……あの日も雨だったっけ。

傘を二、三度クルクルと回しながら、ふと、そんなことを思い出してしまう。あの日、というのは…通り魔に襲われた…この世界にトリップするという原因をつくられた、私の中でのトラウマ。

そこまで思い出して、ふるふると首を振った。自分のトラウマを深く思い出さそうとする程、バカではない。

ふぅ、と詰めていた息を吐き出して、前を向く。…曲がり角が見えてきた。あの角を通り抜ければ、路地裏を抜けられる。


「……っ…!」

あと少しで曲がり角というところで、体のバランスが崩れる。地面と顔の距離が段々と狭まってきて、自分が何かにつまずいたと理解するには時間はかからなかった。

転んだ拍子に傘が離れ、路上にカラカラと半回転。赤くなった鼻先を抑えながら、ゆっくりと立ち上がった。

落ちていた傘を拾い上げて、服がびしょ濡れになったのを見て一つ溜め息を溢した。


…一体、何につまずいたのだろうか。

素朴な疑問に後ろを振り向いて絶句。
曲がり角から、こちらの道に腕が放り出されていたのだ。

え…腕!?

その腕を目線で上へ上へと追っていって、二回目の絶句。



……曲がり角の壁に、誰かがもたれかかるように座っていた。

顔はよく見えないが、地面につくぐらいの長い長い銀髪。上から下まで真っ黒な服装。


「え…あ…お姉、さん?」



ーーーーーー
ジンを女だと間違える主人公であった。文字数の関係で、コメント返しは次の話でさせていただきます。

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寝子 - ウミウシになっちゃえばいいんだ!!これ大好き (2月18日 23時) (レス) @page42 id: 57e090ea6a (このIDを非表示/違反報告)
まる - ウミウシで盛大に吹きましたありがとうございます笑 (7月22日 11時) (レス) id: a2e96a3a87 (このIDを非表示/違反報告)
ディちゃん(プロフ) - うwみwうwしwwwww (2022年3月18日 13時) (レス) @page42 id: 7ad8b1babb (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - にょさんさん» いやわかればええやろ (2020年11月17日 23時) (レス) id: dd314e797a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ウミウシの説明がじわりますw (2018年4月9日 16時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リッタ | 作成日時:2016年12月17日 14時

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