sixteen ページ18
彩ｓｉｄｅ(中２)
私の想い、伝わったかな・・・。
きっと今が、人生で１番、勇気を振り絞り、自分の想いを言葉にした瞬間だ。
お母さんの圧力に負けまいと、じっとその目を見つめる。
瞬間、お母さんは腕を高く上げた。
叩かれる！！！！
そう思い、私はぎゅっと目を瞑った。
だが。
「・・・わかったわ。」
・・・え？
恐る恐る目を開けると、お母さんは高く上げていたはずの腕を組んでいた。
『ほ、んとう？』
「ええ。ただし。」
ただし。という言葉に息を呑む。
「１ヶ月後、クラス替えのテストが秀明であるでしょう？
そのテストで、国語は１０位以内、その他は１５位以内に入ること。
そして、今あなた、受験Ｃに上がってるでしょ？
三谷Ｂに入れたら、もう参考書はやらなくていいわ。」
私は絶望に染まった。
１０位以内なんて。
今までで、良くても２０位以内だったのに。
１０位以内なんて、秀明のトップ中のトップの人達が争っていて、私の入る隙間なんてない。
それに三谷Ｂに上がるには、たった一つでも、１５位以下になったら、
私の成績じゃ入れない。
入れても三谷Ａだ。
お母さんは勝ち誇ったように笑う。
「ああそれと、もし、三谷Ｃに入れたら、ご褒美もあげるわ。
秀明を辞めても良いし、その夢？に必要なものを買ってあげても良い。
それじゃ、頑張りなさいね。」
ああ、この人は、絶対にできないと分かって言っているんだ・・・。
私が玄関で立ち尽くしているのを残し、お母さんはワインを片手にリビングへ戻った。
・・・・・っ！負けない！！
私は零れそうになった涙を拭き、身体にグッと、力を込めた。
そして、参考書、、、問題集を抱えて、部屋に駆け上がる。
歌い手さん達にもらった勇気と希望。
そして、頑張ろうという気持ち。
今、それを出さないで、どこで発揮する？
私は自分にそう問いかけ、問題集をめくった。
私は、私も誰かに希望や勇気を与えられる人になりたい、そう思った。
だったら、まず、私が強くならなければいけない。
ううん、強くなりたい！
もう、負けたくない。お母さんにだって、認められなくてもいい。
認められなかったら、認めさせる。
それだけのこと。
そして何より、自分の生きる価値を、自分に証明したい。
やっと見つけた、私の夢。
その夢を、手放したくないんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MadCat(プロフ) - ききょうさん» ありがとうございます！実はつい最近、再開したばかりでwこれからもがんばります！！ (2020年9月10日 20時) (
レス) id: 635a11a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ききょう(プロフ) - MadCatさん、初めまして。突然ごめんなさい、ききょうと申します！語彙が繊細でとっても素敵なお話ですね…！とても楽しませて頂いております！笑 長々とすみませんでした…これからも更新頑張ってください！応援してます！！長文失礼しました。 (2020年9月10日 17時) (レス) id: 41db9f3d9e (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 更新頑張ってくださいね！ (2020年3月16日 14時) (レス) id: 130d6e5757 (このIDを非表示/違反報告)
MadCat(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます！！！更新ペース、定まりませんが、頑張ります！！！ (2019年10月6日 18時) (レス) id: 36fa550942 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - このお話とっても好きです！頑張ってください！！！応援してます！ (2019年10月6日 17時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MadCat | 作成日時：2019年9月17日 14時
