fifteen ページ17
彩ｓｉｄｅ(中２)
「それじゃ、また近いうちに帰ってくるからね。」
『・・・うん。いってらっしゃい。』
誕生日の３日後。
お父さんがまた、出張に出てしまう。
お母さんは、お父さんがいなくなったことで、心置きなく私にストレスをぶつけられる。
ほんと、お父さんにいてほしいんだか、いてほしくないんだか。
私は未だに、お父さんが居たにも関わらず、どこからそのストレスが出てくるのか、
理解が出来ない。
いや、出来なくなった。
前は、奈子の我がままだとか、お兄ちゃんやお父さんが帰ってこないからだとか、
まだ理解は出来た。
でも今となっては、そこまでストレスの溜まることはあるのか、疑問に思う。
そんなに疑問に思ったところで、お母さんに聞くことはできないんだけどね。
聞かなくても、叩かれる未来が見えるから。
「・・・お父さん、彩のためならどこにいても、帰ってくるからね。」
『・・・うん。ありがとう。』
お父さんは気づいてるのか否か。
きっと、私とお母さんの間が、ギスギスしてることには気づいたのだろう。
でも、それ以上は。
私は精一杯の笑顔で、お父さんを見送った。
家に入るなり、いきなり、大量の参考書を押し付けられる。
「はいこれ、今週のね。先週は無しだったんだから、これくらいはやりなさいよ。」
・・・その量はなんと、２０冊。
それも、どれもみんな分厚く、もはや参考書ではなく、問題集で、
今までは解説も一応載っている、まだ参考書と言えるものだった。
たった１週間で、これだけの量を・・・。
この人は自分がやれと言われて、できるのか。
いや、お母さんみたいな人じゃできないだろう。
私は初めて、お母さんに反論をした。
『お母さん、この量は流石にできない。』
「・・・何？」
お母さんはとても冷たい目で私を睨んだ。
参考書を握りしめる手が、声が震える。
でも、ここで頑張れば、お母さんが分かってくれるかもしれない。
そんなほんの小さな希望にすがり、反論を続けた。
『私は十分頑張った。ううん、前からずっと、この家の誰よりも、勉強に力を入れて、
手を抜いたことなんてない。前からずっと、ずっと、努力してきた。
お母さんが認めてくれなくても、ずっと。
私は、、、やりたいことを見つけたの。
お母さんが言ったとおり、いやそれ以上に、成績も順位も上がった。
だからもう、これはやらない。
お母さん、私は、夢を見つけたの。お願い。
私はその夢を叶えたい。そのための時間が欲しい。』
sixteen→←MadCatより、嬉しい＆超重要なお知らせ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MadCat(プロフ) - ききょうさん» ありがとうございます！実はつい最近、再開したばかりでwこれからもがんばります！！ (2020年9月10日 20時) (
レス) id: 635a11a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ききょう(プロフ) - MadCatさん、初めまして。突然ごめんなさい、ききょうと申します！語彙が繊細でとっても素敵なお話ですね…！とても楽しませて頂いております！笑 長々とすみませんでした…これからも更新頑張ってください！応援してます！！長文失礼しました。 (2020年9月10日 17時) (レス) id: 41db9f3d9e (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 更新頑張ってくださいね！ (2020年3月16日 14時) (レス) id: 130d6e5757 (このIDを非表示/違反報告)
MadCat(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます！！！更新ペース、定まりませんが、頑張ります！！！ (2019年10月6日 18時) (レス) id: 36fa550942 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - このお話とっても好きです！頑張ってください！！！応援してます！ (2019年10月6日 17時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MadCat | 作成日時：2019年9月17日 14時
