． ページ7
「…遂にこの日が来てしまった」
カレンダーには大きく赤マル。
今日の為だけに買ったワンピースに袖を通して、先輩から貰ったピアスをつけようと引き出しを開ける。
「あれ、…ない…」
ピアスが無い、え、ヤバ、無くした？
…最悪だ、いつ？どこで？絶対ここに仕舞ってたはずなのに。
「…とっ、とりあえず！こっちつけていこう…！それで、帰ってきたら探そう…」
待ち合わせの時間がもう迫っていたので、急いで隣にあったピアスを着けて、カバン持って家を出る。
ドアを開けた瞬間、誰かがドアの前に立っていた。
「ふふ、今日は随分と気合い入れて来てるじゃん。A」
「え、拳君…？」
「ん？そうだけど、なんでそんな驚いてるの？」
「だ、って、…なんで…」
今日、何があるか拳君は知ってる筈なのに、なんで拳君が居るんだ。
「なんでって、映画見に行くんでしょ？だって先々週から言ってたじゃん。せっかく迎えに来たのに」
「…へ、」
なんでここに居るのかとか、映画見に行くなんて言ってないとか、もうどうでもよくなるくらい拳君が怖くて、上手く息ができない。
「まぁ、映画なんて見に行かないけど」
「ちがっ、私、今日先輩と…」
「あぁ、そんなこと言ってたね。ごめん、俺そんなのどうでもいいからさ、忘れてた」
「…そ、そんなこと」
拳君がそんなこと言うなんて有り得ない、どうしたの、なんて言えなくて立ち竦む私を見て、拳君は心底嬉しそうに笑った。
「さ、行こ？」
手を取られ、グッと拳君の方に引き寄せられる。
抵抗しようとしたけど力の差は大きくて、直ぐに抑えられて、そして私は意識を失った。
□
「…これでもう大丈夫」
気を失ったAを家に連れてきて、この日のために準備してた色々を着けてもう大丈夫と安堵の息を着く。
となりのゴミ箱にはあのピアスが入ってて、ふふ、だから今日俺のあげたピアスつけてるんだ、きっと俺があげた事も忘れちゃってるんだろな。
「…可愛いなぁ、ほんとに」
Aが目覚めた時あるのは絶望だろうけど、それ以上に愛してあげるから大丈夫だよ。
ずっと、ずーっとね。
これまでのように、ずっと一緒にいようね。
「ずっと一緒だよ？」
それはもう、ゆりかごから墓場まで。
-------ｷﾘﾄﾘ-------
大喜利見てて「あれ、これで1個書けんじゃね？」ってなって書きました。
地震ハザードマップは頑張ってみます(無理かもしれない)
後の2つはほんとに無理だと思います難しすぎる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うゐ | 作成日時：2022年7月11日 16時
