たとえそばにいなくても_fkr ページ5
「…今日は、帰って来れそうにないのかぁ…」
そんなの、知っていたけれども。
スマホのごめんね、というメッセージを見て、なにか悲しい気持ちになる。
「…明日…誕生日なのに」
今までの誕生日はずっと一緒にいて、いつも隣で祝っていたのに、それがなくてやっぱり寂しい。
プレゼントだってケーキだって、出番なくて元の場所から動くことないんだもん。
「明日帰ってくるんだし…我慢しなきゃ」
それからは少し眠たくなってきて、別に何をする訳でもないので、ちょっと寝る事にした。
________
「ん…」
目を覚ましてもやっぱり景色は相変わらずで、ケータイだけが通知を知らせるために光っていた。
「…不在着信…」
その相手は私が1番待っていた人で、…7分前、まだ間に合うかな、いや、間に合うって。
そう自問自答して、少し躊躇しながらも電話を折り返しかけてみる。
「…」
「…もしもし?」
「…ぁ、ごめんなさい、ちょっと電話出られなくて」
「いや、俺もごめんね、こんな夜に」
それでも声聞きたくて、なんて優しい声で言われてそれだけで満足しちゃって、本当に必要なことを忘れてしまいそう。
「あ、違う違う…。誕生日おめでとう、今年もよろしくね」
なんて言えば、年越しみたいって笑われた。
「まぁ、ありがと。…やっぱり、Aからのが1番嬉しい」
「ちなみに、1番早かったのは?」
「山本かな、ホテルで言われた」
「くっそぉ〜…」
「早いのがいいんじゃないから、ね」
それから、明日は何時くらいに帰ってくる?なんて聞いたり、なにか欲しいものある?なんて聞かれたりして、あっという間に1時間くらい経って。
「ぁ、もうこんな時間だ、そろそろ終わりにしよっか」
「そだね。明日なるべく早く帰るから泣かずに待っててね」
「え、泣かないよ」
「ほんとに?」
なんて少し笑ってから、もう一度誕生日おめでとうと言って、電話を切る。
その頃にはプレゼントもケーキも全部がその出番を心待ちにしているようで、全然悲しくない。
やっぱり、そばにいなくても私のこの思いは変わらないんだし、そばに必ずいなくても、いいのかなって。
どれだけ離れてても、伝える事に意味があるんだから。
だからそばに居ないあなたに誕生日おめでとう、生まれてきてくれてありがとうって、変わらないこの思いを。
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祝!ふくらP誕生日!
おめでとうございます。
これからも無理しないで野菜を食べましょう。
(カボチャとか)
ゆりかごから墓場まで□fkr→←仲が良すぎるのもまた一難_sg
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作者名:うゐ | 作成日時:2022年7月11日 16時