八。 ページ9
設定と前話、少し修正しました。
○19.9kg→24.9kg(標準体重の計算をしたら、痩せすぎだった為)(此れでも痩せすぎだけど←)
○濁った瞳→無し
__
「Aちゃぁ〜ん……」
疲れた様子で部屋に入ってくる森。
「リンタロウ、何?」
残り少しになった本を閉じ、森の方を向く。
しかし、Aは其の場から動く心算はなく、太宰もまた、Aを緩く抱擁し、離す心算はない様だ。
「否ァ、患者がねぇ……其れより、私にもAちゃんを抱擁させておくれよ、太宰君」
「……何となく、厭です」
「えぇ、そんなぁ……じゃあ、Aちゃんは?」
「太宰から離れたら、成長できない。其れに、普通にリンタロウが厭」
「そんなっ!」
ショックを受ける森。
そんな森を、二人は感情の籠らない視線で見つめた。
森は、恐らく泣き真似であろう、顔を手に当てた。
「其れより、患者って何?」
Aが切り替えて、森に質問する。
そして森は顔を上げ、「私は医者だから、怪我をして来た患者を見ていた」と答えた。
矢張り、泣き真似であったらしい。
対して太宰は「医者と云っても闇医者。此処は裏社会の病院で、中立地帯だよ」と付け加えた。
其れだけで、Aは理解したらしい。
しかし、興味無さげに「ふぅ〜ん」と云っただけだった。
「……君達、本当に似ているねぇ。まるで兄妹の様だよ」
「「そう?」」
「ほら」
顔を見合わせて、互いに首を傾げる。
しかし、二人が面を被る事も、其の被った面も違う事を森が知るのも、また後の話。
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作者名:日之静海 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月13日 21時