三。 ページ4
食事が終わり、Aの申し出により、台所で食器を洗い、部屋に戻る途中。
「エリスちゃん!、Aちゃん!」
「あ、リンタロウ」
廊下の向こうから、リンタロウが歩いて来た。
「探したのだよぉ、二人とも部屋に居なかったから……」
「御免なさい……」
Aはショボンとした様子で謝るのに対し、エリスはツンとした態度を取る。
「食器を洗いに行ってただけ」
エリスがAの手を引いて、其の場を去ろうとした時、リンタロウは、二人を呼び止めた。
「一寸待ってくれ給え」
「……?」
Aは振り返って、リンタロウを見上げる。
「服を購って来たのだけどね。……着るかい?」
Aは少し戸惑う。
そして不安そうにエリスを見ると、エリスは手を引いて、リンタロウの方に歩む。
「遠慮なんて、しなくて佳いわよ! 行きましょ!」
満面の笑みでAに語りかける。
「序でに髪も切って貰いましょう!」
「エリスちゃんの頼みなら、喜んで」
そう答えたリンタロウの笑みは、大変緩んだものであった。
Aは今度は別の事で戸惑い乍ら、其の儘付いていった。
***
カーテンが開かれる。
中からは、新しい衣服に身を包んだAが出てきた。
「A、とっても似合ってるわ!可愛い!」
「似合ってるよ、Aちゃん」
エリスは抱き着いて、Aを撫で回す。
リンタロウはと云えば、再び顔を緩めて笑っていた。
気の所為か、周りに花が浮かんでいる様に見える。
其のAの服は、派手過ぎない、可愛い物であった。
丸襟の白いブラウスには、前端や袖にフリルが付いており、其の上から黒いショートケープを羽織っている。
前留めは、瞳と同じ紅のブローチだ。
下は、サスペンダー付きの、黒い膝丈スカート。
白い三つ折り
頭には、白いカチューシャを付け、耳上にはリボンがあった。
髪はショートヘアになっており、隠れていた顔も佳く見える。
整った顔立ちをしていた。
側から見れば、何処かの富豪のお嬢様だ。
Aはエリスから解放されて、自分の服を見下ろす。
「……有り難う御座います」
微笑を浮かべながら、リンタロウに御礼を云う。
其の笑みは大人びたものであり、リンタロウ達と出会って、初めて浮かべたものであった。
__
服について、専門用語使ってごめんなさい。
上手く説明できないものですから……。
今度、イラスト書きます……。
……書いて下さると、嬉し(((((
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作者名:日之静海 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月13日 21時