どうしようもない女【アバンティーズ】 (ページ9)

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きまずい　T ページ9

Turime

何時からだっけ、こんなに似ているって言われるようになったの。
そんな事を何度も語り合ったのを覚えている。オレとAは、気が付いたら友達になっていて、気が付いたら親友になっていたんだ。多分、そら繋がりかな。でも、友達になる前からオレはずっと、こっそり、彼女の事を見ていて、ふわふわ笑う顔のファンだった。仲良くなってから、めちゃくちゃ可愛くて優しくて、でも自由気ままで個性的で、でもなんと無く情けない所があるんだって知って、Aの事を、オレはもっと好きになった。どうやって仲良くなったのか解らないけど、オレはずっと、Aの事を見ていた。だから、何時しか"二人は似ているね"と言われるようになったとき、嬉しくて、どこが似ているかなあ、なんてAに聞いて、解んないねぇ、と笑い合ったりしていたんだ。

そらたちが部屋で飲んでいるから、オレも混ざってやろうと思ってリビングに来たのだけれど、奴らの声に混ざって、彼女の声が聞こえたとき、オレはなんでか驚くくらいに気不味くて、立ち竦んでしまった。

その声はひどく懐かしい思い出の中のソプラノだった。部屋の中を見る勇気が無くオレは、目線を下にやり、そしてごくりと息を呑むと、ドアノブに手をかけた。が、やはり踏ん切りがつかずに、情け無くもUターンする。頭が痛かった。バレないうちに部屋に戻ろう。そして今日も早く寝よう。そう思ったのに、背後で扉の開く音がした。

「みっくん。久しぶり」

どき！っと、心臓がはねる。その舌足らずなソプラノは明らかに大好きなAの声だった。

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