七十三 ページ33
『・・・どこまで行くの？』
西条さんに案内されてついた場所は、薄暗い体育館裏。奇しくも、そこは青葉城西の体育館裏とよく似ている。
あの時と一緒だな、そう思いながら西条さんの方を見ると、彼女は顔をこれほどかというほど歪めていた。
「合宿が始まって、鬼なんていうふざけた奴等が現れて、護衛とかいって鬼狩り連中が来たり、あんたのくっだらない過去を聞いたりしてから、私の城が崩れ始めた」
『は？鬼はふざけた奴等何かじゃ「うるさい！」っ！』
憎悪。驚く程に、西条さんからはそれしか感じられない
「最近はあんたの悪口を吹き込んでも皆反応が曖昧だし、夜部屋に行っても疲れてるからってやんわりと部屋を追い出されるようになった！どれもあんたが変に恩を売って、ここぞとばかりに自分の過去話なんてしたから！」
『過去話は私がしたんじゃないし、恩を売ったつもりは全くないよ』
「それでも！あんたが私の城を壊しているのは事実！召し使いは引っ込んでろよ！そもそも、あんたがマネージャーになったのだって計算外だったというのに」
西条さんはお得意のぶりっこ言葉すら忘れて、顔を真っ赤にさせながら私に暴言を吐き続ける。けれど、西条さんの色には憎悪に加えだんだんと悲しみの色が混じってきた。
もしかしたら、彼女がこうなったのには何か理由があるのかも知れない。少し、確かめて見ようと思ったその時
「いっつもこっちのいじめに何にも反応しないくせに！どうせ私のやってることなんてバカバカしいと思っているんでしょ？その目も、人間じゃないみたいで君が悪い！」
今にも溢れそうなほど、目に涙をためて怒鳴ってきたその言葉、
とっくに克服したと思っていた過去を思い出す。
あらぬ言葉に気を乱された動揺と、トラウマとが混じりあってよく分からなくなってゆく
呼吸が乱れる。意識が遠のく
『し、師範っ』
何が起こったのかという恐怖の顔を浮かべる西条さんと、目の端で揺れる銀色の髪を視界に捉えながら、私の意識は途絶えた
「A！」
一瞬、大好きなあの人の声を聞いた気がした
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りんこ(プロフ) - マトイさん» ありがとうございます！西条編もそろそろ終わりだと思いますが、引き続き読んでいただけたら幸いです(*´∀｀) (2020年11月6日 18時) (
レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
マトイ - この作品面白いです！！！これからも応援してます！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: a437784ea7 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - Honomi1204さん» 嬉しいです！応援よろしくお願いします((o(^∇^)o)) (2020年9月19日 12時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
Honomi1204(プロフ) - 面白いです！！頑張ってください (2020年9月19日 8時) (レス) id: 22d7bacd23 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - 恋(レン)さん» アザっす！これからも頑張ります！ (2020年8月3日 20時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんこ | 作成日時：2020年7月14日 20時
