銀狼【銀魂】21

第九百四十一訓 お淑やか女子なんてもう手遅れ ページ10

だってあたしさ、ここに来た時あのアホ提督とわざわざ口約束交わしたんだよ？『アンタらが手を出さない限り、あたしも手を出さない』って。

向こうさんもそれに同意した。口上だろうと何だろうと、既に契約は成立してるんだよ。

せっかくあたしがてめーら潰さないための約束だったのにさァ…バカなの？あ、バカじゃなかったら海賊なんかにならないか。ならないね。ハイつーことでバカ決定ー。ハイバカー。


さぁて、ここからどう動こうかね。
資料室は廊下の突き当たりにある部屋だから、道は一本しかない。
この道を真っ直ぐ進んで突破すれば、何が起こってんのか事態は掴めるかな。

なんて考えていると、カチャリと後頭部に拳銃が突きつけられた。


「わかってんだろうな？お前はこの船で一切の抵抗を禁じられている。少しでも俺達に妙なマネすれば、お前の命が危ないぜ」

A「……」

「オイ聞いてんのか！？」


何言ってるの？聞く気なんてあるはずないじゃん。

腰に挿した金属バットに意識を向けながら、ぐっと右足に力を込めて、軽く膝を曲げた。

なるべく自然に、さりげなく。一度深呼吸をして、前を向く。


ドッ！！


そして一気に加速した。

驚愕に固まる天人達をどんどん薙ぎ払い、走っていく。


「な、何だァァァ！？この女！！」

「自分の立場ってのがわかってんのか！？」

「何してやがる、早く取り押さえろ！！」


ガシッと腕を掴まれる。だがその程度で止まるあたしじゃない。

さらに腕や肩、足、首、腹に次々と腕がまわされ、複数人がかりで取り押さえられる。

あーあーめんどくせぇ。これだから複数人の雑魚相手は嫌いなんだよ。群れるだけ群れて邪魔ばっかしやがる。


あたしは手始めに右足で手を踏みつけ、次に振り上げて背後にいた天人を蹴り飛ばす。
左足でもまず同様に掴んでいた手を踏んでから、傍らにいる天人を蹴った。

そして、少し動かしやすくなった左手で天人の胸倉を掴み、前方に投げ飛ばす。
最後に右手で天人の腰のベルトを持ち上げ、あたしの腰に抱きつくように掴まっていた天人も左手でぶん投げた。

ようやく自由になったあたしは金属バットを抜き、再び走り出す。

跳躍して、顔面を蹴りつけ、踏み、数人まとめて殴り飛ばす。


A「さあさあ、死にてェ奴から前に出な！！たっぷり痛ぶって遊んでやるよ！！嫌ならどけコラァァァァァァ！！」


アーッハッハッハー！！オイ誰だ今「夢小説のヒロインの言う台詞じゃない」っつった奴！

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