銀狼【銀魂】21

第九百四十八訓 プレゼントした物を使ってくれてる所を見ると嬉しい【銀狼篇2】 ページ17

「ではこれより、俺達は銀狼を敵とする同士として、ここにあの女の首を掲げることを誓う！！銀狼を…霧島Aを殺せ！！」

「「「「「おおおおおおおお！！」」」」」


夜の空に、野太い叫び声が上がった。


＊＊＊＊＊＊＊＊


Aside

朝。天気は快晴。

だがあたしの目は光を拒むかのごとくしょぼしょぼとしている。

寝ぼけ眼を擦って真選組屯所の門をくぐる。今日は例によりバイトだ。とにかく働くのだ。街に蔓延る不逞浪士どもをしばき回すのだ。楽だなぁ警察の仕事って。


A「おはよ〜ございます…ふぁあ」


欠伸をして、ガシガシと頭を掻く。ノロノロと会議室の障子を開けると、まだ誰も集まっていなかった。


時計を確認すると、会議開始時間まであと30分もあった。
どーだ。あたしは時間前行動がきっちり出来る女なのよ。

今頃みんな、食堂で朝食を食べたり何なりしてんだろう。それまで寝るか…

座って膝を抱えた瞬間、ガラッと障子が開いた。


土方「…Aか。早ェな」

A「ん…おはよう、トシ兄ィ」


資料らしき紙を小脇に抱えて、トシ兄ィが部屋に入ってくる。

ドサッと腰を下ろすと、あの時のマヨネーズ型ライターで煙草に火をつけていた。


A「それ、まだ使ってくれてたんだね」

土方「あ？…まぁな」

A「へへっ、嬉しい」

土方「…そうか」


やっぱり、プレゼントされた物を大切に使ってもらえるのは有難いし、嬉しい。

あたしは頬を染めて、少し照れくさいような笑顔を浮かべた。


しばらくすると、みんながぞろぞろと会議室に入ってくる。

あたしの姿を見て「おはよう！」と気さくに声をかけてくれる。
…コレ一応、監視される側とする側なんだよね？みんなあたしに甘過ぎだろうよ。カワイイ顔に生まれてマジ良かった。

最後に局長である近藤さんが入ってきて、トシ兄ィの隣に座る。あたしはいつものように、部屋の隅っこで正座していた。

最近の攘夷浪士の動向だとか、株の値動きだとか、様々な話をしつつ、あたしはボーッとその全てを聞き流す。


近藤「それと、最近辻斬りがまた増えている。下手人は複数いるらしいが、見つけたら速やかに逮捕するように。以上で会議を終了するが…Aちゃん、少し前に出てきてほしい」

A「えっ？」


…えっ？何？
突然呼ばれ、驚いて目を見開く。

まさか…あたし何かやらかしたんじゃ。次には冷や汗が出てきた。

第九百四十九訓 嬉しいと頬の緩みが止まらない【銀狼篇3】→←第九百四十七訓 集会で話す校長先生の話はどうでもよくて尚且つ長い【銀狼篇1】

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