魔獣の森 ページ49
ブツブツと溜息混じりに呟くみんなの声。その中、正面突破しようとする峰田くん。
取り敢えず…どこだろう、ここ。頭の中にマップを広げた瞬間、峰田くんの走る先に巨大な動く“物”の気配を感じた。
「峰田くん待って！そのまま行っちゃ危ない！」
しかし叫んだ瞬間、峰田くんの目の前に大きな牙を持ったーー怪物が現れた。
「「マジュウだーー！！？」」
いや、違う！この気配…この魔獣は、
《静まりなさい獣よ、下がるのです》
「口田！！」
しかし、魔獣は口田くんに爪を向ける。動物を操る口田くんの“個性”が効かない、ってことはやっぱり…！
右手を鉄砲に見立て、魔獣に向ける。突き出した人差し指の先に空気を圧縮した弾を作った。
口田くんの前に、同時に4人が出る。緑谷くん、爆豪くん、轟くん、飯田くんだ。彼らの攻撃の流れ、その合間に向けて、空気の弾丸を魔獣に撃ち込んだ。
魔獣はこの攻撃の前に崩れ、粉々になる。
なるほど…これがずっと続くわけだね。
「これは…生きて辿り着けるかな…」
乾いた笑みしか浮かべられない。これ確実に明日動けなくなるパターンじゃない？ハードルが…ハードルが思ってたより高すぎる。
そんな事を考える隙もなく、みんなどんどん進んでいく。泣き言は後だ。とにかく、進むしかないんだから。
グッと地面を踏み締めて、森の奥へと進んでいった。
＊＊＊＊＊＊＊＊
空が赤らみ、夕陽が山の向こうに沈もうとしてきた頃。ようやく目の前に人工物が見えてきた。
正確に言えば、今回の林間合宿の宿泊先である「プッシーキャッツのマタタビ荘」だ。
ここまで辿り着くのにごっそり体力と集中力を持ってかれて、ボクは一歩も動けない。到着寸前に、もちまるちゃんに運んでもらった。
うぅ…汗だらけ泥だらけに加えて頭痛で吐き気が…
苦しい…息するのが苦しい…
もうダメだ〜…死んじゃう…
「何が『三時間』ですか…」
「腹減った…死ぬ」
「悪いね、私達ならって意味アレ」
「実力差自慢のためか……」
「ねこねこねこ…でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら……特に、そこ5人」
はえ？今指さされてる？
ダメだ…頭がまともに働かない…気絶していいですか？ダメ？そっかぁ…
「躊躇の無さは
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作者名：ミサ | 作成日時：2019年8月29日 3時
