ノゾキ一騒動 ページ19
今日のヒーロー基礎学が終わり、お着替え中。
ふー、気温が高くなってきたから、服が暑い…！脇の所は開いてるからまだいいけど、帯巻いてるとことか汗でベタベタするんだよねぇ…
「Aー、なんか落ち込んでる？どしたー？」
「あ…三奈ちゃん。大した事じゃないんだけどね。汗かいちゃってベタベタするなぁって…」
「あー、なるほどね」
「それならさ、コレ使えば？」
そう言って響香ちゃんが差し出してくれたのは、ウェットティッシュのような何か。
「これは…？」
「汗拭きシート。知らないの？」
「うん」
「これで汗かいてる所拭くと気持ちいいよ。ホラ、使って」
「あ、ありがとう」
響香ちゃんから一枚貰って、汗をかいた肌に直接触れる。冷たくて、スーッとして…拭き取った跡は、サラサラしてる。
「す…凄い…！何コレ…！！」
「そんな感動する？ドラッグストアとかコンビニでも普通に売ってるよ」
「本当！？」
こんな優れものが売ってたなんて知らなかったよ…！今度消太さんにお願いして、買ってもらおう！
その時、隣の男子更衣室から声が聞こえてきた。
ん？この声…峰田くんの声？
「見ろよこのショーシャンク！！恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう！！隣はそうさ！わかるだろう！？女子更衣室！！」
「峰田君やめたまえ！ノゾキは立派な犯罪行為だ！」
「オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ！！」
「はっ！？まさか覗き…！？」
「どんだけ飢えてんの！意味わかんない」
「穴があるってこと？どこ？」
と、みんなが途端にキョロキョロと壁の穴を探し始める。
え？穴？それなら…
「ここにあるよ？」
「わ”ーーっ！！Aちゃん覗いちゃダメーーー！！」
「ぎゃっ」
「みんな退がってて！ウチやる」
ボクが穴の場所を指さした瞬間、お茶子ちゃんに目を塞がれ、梅雨ちゃんに耳を塞がれてズルズル引き摺られた。響香ちゃんがイヤホンジャックを壁に突き立て、隣の様子を伺う。
「八百万のヤオヨロッパイ！！芦戸の腰つき！！葉隠の浮かぶ下着！！麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっ ぱいに於野の天然ワガママボディアアアア…あああ！！！」
峰田くんの悲鳴が聞こえる。が、目も耳も隠されてしまい、何が起こってるのか全くわからない。
「ねー、どうしたの？何かあったの？」
「Aちゃんは何も知らなくていいのよ」
「？？」
「出来れば一生知ってほしくないんやけどな…」
「？？？」
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作者名：ミサ | 作成日時：2019年8月29日 3時
