第三百六十一訓 アメとムチと嘘は使いよう【紅桜篇23】 ページ39
杉浦「君は知らないみたいだけど、彼女は銀狼の一族の娘だ。そして、"あの女"の娘だ。普通の人間より強いのは目に見えてる。そして、普通の人間より血に飢えてるんだ」
杉浦「…Aはそんな残忍な娘じゃない」
杉浦「そうかい?確かに平和になっちまったせいで、Aの戦いの感覚は極限まで鈍ってるみたいだけど…まァ、あいつが化け物だなんて、すぐにわかるさ」
杉浦は時雪の胸倉を掴み、引き寄せた。
杉浦「だから、もうこれ以上Aに関わらないでくれ。Aは俺達が引き取る。保護者も後見人も、何なら婚約者だっている。だから、諦めてこのまま帰ってくれ。俺が逃がしてやるから。さぁ…」
時雪「嫌です」
時雪の返答に、杉浦のこめかみがピクリと上がる。
それに気付かず、時雪は続けた。
時雪「杉浦さん。俺は貴方に何を言われようと、俺は俺の信念を曲げることは出来ません。そもそも、他人である貴方に決められる筋合いがない」
杉浦「…」
時雪「それに、Aはテロが大嫌いだと言っていました。ましてやテロリストなんかに、Aがついていくとは到底思えません」
杉浦「……」
時雪「それと…Aは、俺が貰います」
杉浦「………何だと?」
明らかに、杉浦の声のトーンが下がった。
飄々とした態度から、いきなり威圧的な雰囲気を醸し出した彼に、時雪は負けじと唇を真一文字に結ぶ。
杉浦「…貰う?それは一体どういう意味だ?まさか…」
時雪「そのまさかです。Aは、俺が嫁に貰います」
キッパリと、そう言い切った時雪の青い瞳には、決意の光が宿っていた。
杉浦は目を伏せ俯く。
しばらく黙っていたが、ふと肩を震わせて笑い始めた。
杉浦「…クククッ。お前が…お前ごときが…フフッ、ハハハハハハハ!!」
時雪「ッ、何がおかし…がはっ!?」
突然、杉浦が時雪の首を片手で締め付け、壁に押し付けた。
腕を拘束され抵抗出来ない状態で、それでも時雪は必死に足掻く。
第三百六十二訓 愛情と自分勝手は紙一重【紅桜篇24】→←第三百六十訓 法螺が吹かれたら戦いの合図【紅桜篇22】
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ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップか転生した銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけてがんばてください。応援してます。 (2017年8月9日 18時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年7月7日 0時