120-2 グッナイ・グッバイ ページ9
「おのれちょこまかと！」
そこに、銃弾の雨が降り注ぐ。
その時、九十九は柱の陰…弾の当たらない安全圏に逃げて、柱の装飾を写した布を上から被った。
えっ？九十九の奴、今…「隠れ身の術」使えてた？ガチの忍者じゃないのに？いや、忍者の里出身だけども。
そうこうしている内に、ハニーの仕掛けたポイントまであと少し。目印の糸を九十九が飛び越えた。
「今でござる！」
「おう！完璧なタイミングだカミカゼ」
指に絡めた糸を、一斉に引く。
この時点で、既に伯爵はハニーの手の中。張り巡らされた糸を操り、体の拘束に成功した。
「よし、棺を手放した！今のうちに早く回収をするでござる」
「「がってんしょうち！」」
床板を開けて、ウノとロックが飛び出す。
ハニーが伯爵を捕まえている内に、棺に無理矢理でも戻そうという算段だ。
私はハニーの協力のために手を出すことは禁じられているから、手伝いは出来ない。ハニーの後ろから、事の全てを見届けるだけだ。
「おのれぇえ、私の棺に気安く触るな！！」
ちょっ…伯爵の奴、まだ暴れようとしてない！？どんな馬鹿力だよ、引きちぎろうとしてんじゃん！
アイツ本当に寝不足状態なわけ？こんなの、いくらなんでも危険すぎる。つーかむしろ…何なんだ、この違和感は…。
こういう時の私の勘は当たる。この嫌な予感…アイツ、何か隠してる。
伯爵の武器である棺は、内部に様々な刃物や銃器を搭載している。中には飛び道具もあった…。
……ん？飛び道具…？
「お前ら、今すぐその棺から離れろ！！」
反射的に、棺を運ぶウノとロックに叫んだ。それと同時に、伯爵は自由な指をパチンと鳴らす。
「もう遅い」
次の瞬間、棺の蓋が一部開き、そこからナイフが射出された。
ナイフはこちらめがけて飛んできて、伯爵を拘束していた糸を切り、私達にも襲いかかってくる。体を屈めて避けたものの、せっかく捕らえた伯爵を逃がしてしまった。
「くッ…」
「心配ねぇよ、こいつは想定内だ」
「何だと！？」
しかしすぐに、再びハニーの糸が伯爵に巻き付いた。今度は指までしっかり縛り上げる。
「ハッ、ほんの数本切った程度で攻略されてたまるかよ」
「ハニー…！」
「どうだい志乃さん、惚れ直したか？」
肩越しに視線だけを私に向けて、口角を上げる。
それに対して、私はフッと笑ってこう返すのだ。
「安心しろ、元々惚れてなんかいないから」
「………あっそーかよ」
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葵 - こんばんは🎵 続きがとても楽しみです❗ (2021年11月18日 21時) (
レス) id: 971912fc9c (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 違っていたら申し訳ありませんが吉田志乃の父は銀魂に出てくる吉田松陽ですよね？それに弟子の虚も出ていますよね？銀魂ファンなんですか？実は私も銀魂ファンなんです。私の押しは、沖田君です。特に沖神が好きです。 (2021年5月16日 21時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - すみませんがお願いがあります。[幕間] 夜明けになる前に [其の九] の場面での吉田天乃の絵が見たいです。お願いできませんか？ (2021年5月8日 14時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ところで、リクエストいいですか？私は、ハニーやトロワとの話が見たいです。 (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - こんにちは、とても素晴らしい作品だと思います。続きを楽しみにしています。頑張ってください！ (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2021年3月9日 23時
