119-3 イケメンコンビ ページ6
一度言葉を区切り、ハニーは私の手を両手できゅっと優しく握り締めた。
「俺はもう二度と、アンタを傷付かせねぇって決めてんだ。少なくとも俺の目の前で、アンタは戦わせねぇ。俺にアンタを守らせてくれ。その条件をのんでくれるなら、アイツらに協力してやってもいい」
「なっ…」
「悪ぃな志乃さん。こいつは俺のプライドの問題だ。許してくれ」
「…………」
その場の全員が、私達に注目する。私が彼の提案する条件に応じれば、ハニーは自動的に協力してくれる。
しかし…一切手を出すな、か…。ううん…。
ま、どっちにしろ私がこいつらを監視しなきゃいけないんだし。手を出す出さないは別として。
「…わかった。頼んだぞ、ハニー」
「よし。念のため武器全部出してくれ。絶対に手が出せないようにな」
「チッ…ちゃっかりしやがって。…まぁいい、さっさと段取り決めんぞ。まず、囮にはジューゴを使おうと思ってるんだ」
「ああ、そりゃあいい」
「お前らな…」
暗器をドサドサ床に落とす私を中心に、ハニーとウノが集まる。その最中、ジューゴがジトリとこちらを見つめてきた。
何見てんだよ。囮になれるだけ役に立ってると思え。普段何の役にも立ってないんだから。
「でもその作戦を実行するには一つ問題がある」
「問題?」
「俺が伯爵を止める算段として必要なのは、タイミングだ。俺のバレットは敵に気付かれたら即終わり。その弱点をカバーするのに、今までトロワが敵の注意を引き付けるってのが流れだった」
「…………あっ、なるほど」
わかった。ハニーの言いたい事わかっちゃった。私は思わず頭を抱えた。
「その役がこいつに出来ると思うか?」
「「「絶対無理だ!!」」」
「俺が確実に伯爵を捕らえるポイントまで引き付けつつ、攻撃躱しながら逃げ回るとか絶対出来ないだろアイツ」
「「「確かに!」」」
うん。出来ないね。ジューゴは。アイツはそんな高度な技術を兼ね備えてない。
私達に言葉でズタボロにされたジューゴは涙を浮かべ、私に抱きついた。
…あのな、私はアンタのママでもなんでもねぇんだよ。何で事ある毎に私に泣きついてくるわけ?正直鬱陶しい。
でもなぁ…ここで突き放すとジューゴが余計傷つくから扱いづらい…。
「じゃあロックがジューゴくん抱えてひたすら逃げるってのは?」
「おい!俺を過労死させる気か」
「いや、人数が増えると余計に計算しにくくなるだけだ。人数は最低限の方がいい」
「じゃあ、どうするんだよ?」
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葵 - こんばんは🎵 続きがとても楽しみです❗ (2021年11月18日 21時) (レス) id: 971912fc9c (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 違っていたら申し訳ありませんが吉田志乃の父は銀魂に出てくる吉田松陽ですよね?それに弟子の虚も出ていますよね?銀魂ファンなんですか?実は私も銀魂ファンなんです。私の押しは、沖田君です。特に沖神が好きです。 (2021年5月16日 21時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - すみませんがお願いがあります。[幕間] 夜明けになる前に [其の九] の場面での吉田天乃の絵が見たいです。お願いできませんか? (2021年5月8日 14時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ところで、リクエストいいですか?私は、ハニーやトロワとの話が見たいです。 (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - こんにちは、とても素晴らしい作品だと思います。続きを楽しみにしています。頑張ってください! (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2021年3月9日 23時