空蝉の挿話【1】 ページ43
【お嬢様とメイド】
ここは「式」の拠点としている館。私は何をしているかというと。
「ぐぅ」
お昼寝。
やっぱり休日は昼寝に限る。普段の仕事が死と隣り合わせだから、何もない日こそのんびりしたい。
「あれ？お嬢様」
「こんな所で寝てたら風邪ひくぞ。アンタ病弱なんだから油断すんなって」
広間のソファで横になってる私を見るなり、声をかけてきたのは冥くんと異土くんだ。
うるさいなぁ、私は今寝てるってのに。私が寝ている＝近づいてはならないって暗黙の了解知らないの？
まぁいいや。そのまま通り過ぎるのを待とう。目を閉じたままスルーしてると、さらに二人の会話は続く。
「寝顔可愛い…」
「当たり前だろ。俺達のお嬢様だぞ」
私が可愛いのは否定しないがお前達のお嬢様になった覚えはない。
「写真撮って待ち受けにしたら怒るかな」
「やめとけ。どうせ撮るならもっといいものにしろよ。たとえばお嬢様の○○顔とか…」
次の瞬間、私は冥くんめがけて拳を振り抜いた。
「あっぶねーな…。てかなんだよ、お嬢様起きてたのかよ」
「私の寝てる時に半径10mは近付くなって主任に言われなかったか？」
「いや言われてねえけど…」
私のパンチは冥くんの腕に阻まれて顔面を捉えることはなかった。
舌打ちと共に手を下ろし、ソファに座り直す。すると両隣に冥くんと異土くんが座る。お前らマジで何なんだよ。
「お嬢様、怒ってる？俺がお嬢様の寝顔撮ろうとしたから？」
「そんなことよりもっとヤバい事をお前の兄貴が言い出したからキレてる」
「なんだよ本気にしたのか？冗談だって。大事なお嬢様にそんなことするわけねぇだろ？」
…冥くん目が怖いんだけど。いやー、そんなことないと思うなー。多分君達、大事なお嬢様相手に酷いことできると思うなー。
おそらくなんだけどコイツら、主任から「好きにしていいよ」って言われたらホントに好きにすると思う。間違いない。断言できる。
まぁ私の命なんて所詮、主任の掌の上なんだけどね。あの人が必要ないと切り捨てれば、私は不必要な存在へと成り下がる。そうならないように予防線をいくつも張り巡らせてるわけだけども。
「あーあ、せっかく気持ちよく寝てたのにお前らが来たせいで台無しだ。じゃあな」
「つれねえなぁ。どうせなら一緒に休もうぜ？俺らもこの後休憩時間なんだ」
「俺、お嬢様と一緒にいたい。ダメ？」
「死んでも嫌だね」
ソファから立ち上がり、べっと舌を出してみせた。
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葵 - こんばんは🎵 続きがとても楽しみです❗ (2021年11月18日 21時) (
レス) id: 971912fc9c (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 違っていたら申し訳ありませんが吉田志乃の父は銀魂に出てくる吉田松陽ですよね？それに弟子の虚も出ていますよね？銀魂ファンなんですか？実は私も銀魂ファンなんです。私の押しは、沖田君です。特に沖神が好きです。 (2021年5月16日 21時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - すみませんがお願いがあります。[幕間] 夜明けになる前に [其の九] の場面での吉田天乃の絵が見たいです。お願いできませんか？ (2021年5月8日 14時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - ところで、リクエストいいですか？私は、ハニーやトロワとの話が見たいです。 (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - こんにちは、とても素晴らしい作品だと思います。続きを楽しみにしています。頑張ってください！ (2021年5月1日 4時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2021年3月9日 23時
