86-1 失っても前に進め ページ38
「…ん」
光が目蓋の奥へと差し込んできて、ゆっくり目を開ける。
何だったっけ。何の夢を見てたんだっけ。
目覚める直前まで覚えていたのに、もう忘れてしまった。
…でもあまりよくない夢な気がする。思い出してもロクなことないような類いの。
うん。この場合、忘れた方が吉だ。よってこれ以上は一切考えないことにする。
ところでここはどこだろう。なんか見覚えのある場所だな。んー…あ、医務室か。そうかそうか。
えーと…確かエルフ達がこの刑務所に侵入して、そいつらを捕まえるために「纏」を使って…。で、力尽きたんだっけ。
あー、そうだったそうだった。全部思い出した。
「ーー、ーーー」
「ーーーー。ーーー」
ん？外で話し声がするな。誰かいるのか？
えーと、この気配は翁先生と…。
シャッ
「「あ」」
カーテンを開けた先にいたのは、ジューゴだった。
あれ、なんかものすごく久しぶりな感じがする。
なんか馴染みあるような気がするんだよね、あの目。確か夢で…。
私を一目見たジューゴが、ベッドに駆け寄ってくる。
「志乃！お前、もう大丈夫なのか？」
「え？あ、お、おう。まぁ、なんとか…？」
「そっか…よかった」
ホッと息を漏らす彼が、私に抱きついてきた。
いや、何してんだよ。
「お前何で抱きついてくんの？」
「だってすごい久しぶりだからさ。ん、やっぱり志乃が一番収まりがいい」
「意味わからんわ」
「九だとちょっと物足りねえんだよ」
「知るか」
もういいや。このままほっとこう。
それよりコイツに訊きたい事があるんだ。
「アンタ何でここにいんの？」
「ん？あー…えーと…」
「何？まごまごしてんなや。ハッキリ言えコラ」
「いへえっへ」
ぐにーっとほっぺを引っ張ってやる。
コイツほっぺ柔らかいな。気持ちいい。じゃなくて。
質問に答えろ。ジッと凝視すると、渋々口を開いた。
「志乃がいない間にさ、赤い枷をつけた囚人が来たんだよ」
「へえ」
「へえ、って…驚かねぇのか？」
「別に？だって情報が入ってきた時私も上から聞かされたし。ま、私が組織の仲間だって知られてるから、自然っちゃ自然なんだよね」
「そうなのか。じゃあ、ザクロのことも知ってるのか？」
「うん。396番だろ？あのドリルの」
ズバッと言い当てると、ジューゴは頷いた。
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ミサ(プロフ) - 瑠碧さん» わぁい、ありがとうございます！(両手を上げてステップしながら狂喜乱舞) (2020年8月4日 20時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠碧(プロフ) - 殺意を抑えようとブツブツ呟いてる志乃ちゃんクッソかわよ絶対に推し続けるわ← (2020年8月4日 11時) (レス) id: 3cee96974c (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - リリアさん» ありがとうございます！御一行出したくて出したくて仕方なかったので、ようやく出せて一安心です。これからもよろしくお願いします！ (2020年7月30日 12時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - はじめまして！御一行がではじめてからますます面白くなってきました！！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月29日 21時) (レス) id: 4a2141df19 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 瑠碧さん» ありがとうございます^_^これからもよろしくお願いします。 (2020年7月26日 13時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年7月23日 12時
