85-1 シロガネの決意 ページ36
んー、とキスしてこようとする異土くんを肘で押し退けると、私達が隠れていた物置が吹っ飛ばされた。
刹那、私は異土くんより先にその場を離れる。
「あっ」
異土くんも私が逃げたことに気付いたものの、すぐに襲いかかる銃弾を避ける。
異土くんの視線を気配で感じ取り、そこから消えて建物の影に隠れた。
ぃよっし逃げられた！物陰でガッツポーズをとる。
さてと…ところでロクドーはどこに行ったかな？
「お、シロガネー。お前今までどこ行ってたんだよ」
「…私ってお前見つける天才なのかもしれない」
「？」
辺りを見渡していれば、背後から声をかけられた。
昔から、ロクドーの気配を察知するのは難しい。というかできない。
何故かロクドーに限って、声をかけられるもしくは目の前に現れないと、どこにいるのかを見抜けない。
…私、ロクドーになら不意打ちで殺される自信しかないわ。
でもアイツの殺気を感じたことがないからわからないかも。
殺気になら対応できるか？いや、そんな事はどうでもよくてだな。
「ロクドー。ここまでだ。私は帰る」
「帰る？どこにだ？」
「家にだよ。悪いが私はもうシロガネじゃない。それに、これ以上ここにいたら、次こそ奴らに捕まる。その前に逃げておかなきゃいけないんだ」
「ふーん…そうなのか」
…正直、この残り少ない人生で、もう二度と会うことはないと思ってた。
普通の女の子として生きていれば、こんな事には巻き込まれないと思ってた。
でも、違った。全部、ただの勘違いだった。
私がどう生きようと、きっとどこかで出会ってしまう。この男と。
実にふざけた運命だ。その理不尽を斬り裂いてやりたいところだけど、見えないものは私には斬れない。
私はそんな大層な剣士じゃない。だってただの人殺しだから。
南波刑務所で服役して、こんな私でも普通に生きていけると思った。
バカだな。“
どこかでわかってたはずだ。私がいかに特殊な存在か。
主任が私を検体として研究していたことを知って、それを止めるべくどれだけ母さんが努力をしていたか。そして、苦労してようやく手に入れ、立派に育て上げた検体を、易々手放すような奴らじゃないことも。
どうすれば奴らに一泡吹かせてやれる？
既に生存は確認された。少なくとも中学卒業後はどこか安全な場所へ逃げ込まなければならない。
それこそ刑務所のような…。
「シロガネ」
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ミサ(プロフ) - 瑠碧さん» わぁい、ありがとうございます！(両手を上げてステップしながら狂喜乱舞) (2020年8月4日 20時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
瑠碧(プロフ) - 殺意を抑えようとブツブツ呟いてる志乃ちゃんクッソかわよ絶対に推し続けるわ← (2020年8月4日 11時) (レス) id: 3cee96974c (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - リリアさん» ありがとうございます！御一行出したくて出したくて仕方なかったので、ようやく出せて一安心です。これからもよろしくお願いします！ (2020年7月30日 12時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - はじめまして！御一行がではじめてからますます面白くなってきました！！これからも更新頑張ってください！ (2020年7月29日 21時) (レス) id: 4a2141df19 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 瑠碧さん» ありがとうございます^_^これからもよろしくお願いします。 (2020年7月26日 13時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年7月23日 12時
