41-1 ピンチピンチ大ピンチ ページ42
駆け出した二人を見届けた瞬間、背後からの殺気に反応する。
「八力、九力。まずその目障りな『鍵』からだ」
カマ河童の命令を受けた八力さん達が、私を追い越してウノの前に出る。
やっぱり狙いをジューゴに定めてやがる…。『鍵』をら失えば私達がどこにも行けなくなるから、ってか…！
そんなこと、させてたまるかよ！
バッとウノ達の前に出た私は、八力さんに対し迎撃の構えをとる。
が、予測していた軌道から逸れ、衝撃を迎えたのは私の胸の中心だった。
ドガガガッ！
「志乃さん！」
背中から壁に激突した。
落とした帽子なんて全く気付かなかった。受けたダメージがあまりにも大きくて、痛みに体が支配される。
それでも意識を八力さんに向けた途端、片腕で肩と首を壁に押さえ付けられ、固定された。
「残念だったね小娘。アタイの狙いは『鍵』じゃなくてお前さ。こいつらの中で戦えるのはアンタだけなんだろう？一番厄介なお前さえ片付ければ、後はどうとでもなる。ーーよくもアタイの顔を殴ってくれたね。その代償は高くつくよクソガキ」
大丈夫。大丈夫だ。こんなのどうってことない。
敵が私にターゲットを絞ったのなら、ジューゴ達は守れる。
落ち着いて対処しろ。
足が浮いてるからなんだ。肩が動かせないからなんだ。
手は動く、足も動く。それなら…！
「お前ら早く逃げッ…！！」
「潰せ」
冷酷な指令が耳に入った。
拳を振りかぶっている八力さんを見て、サッと血の気が引く。
もう、遅い。
ゴッ！！
「ぐっ…」
「！」
顔面に入ったかと思われた一撃は、私の腕に阻まれた。
両手をクロスしてかろうじて防げたものの、前に出していた左腕に激痛が走る。
ヤバイ。骨をやられた。
それを悟るのに1秒もかからなかった。
しかし次の瞬間、鈍い痛みが腹部に走ることになる。
「がはっ…！」
すかさず放たれた第二撃に、反応が追いつけなかった。
貫かれるかの如く、私の薄い腹に拳が入る。
その時には拘束は解かれていて、重力に従う私の体は、ドサリと床の上に落ちた。
胃液が逆流したような感覚。
体の奥から込み上げてくる衝動のままに、唾を吐き出した。
「げほっ、ぉえっ………ッうっ！？」
えずいていた私の腹に、今度は蹴りが撃たれる。
防御する間もなく蹴っ飛ばされた。
体が宙に浮き、強く床に打ち付けられ、背が滑る。
次々と衝撃を受け、さしもの私も耐えられなかった。
「かはっ、はっ…」
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ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
