36-1 あいつがいない！ ページ30
「でもお前はこれを取り外すことも、牢を開けることもできる。お前さえ先に行ってくれれば、猿鬼に気付かれることなく看守達を出すことができるだろ」
「そんなの…俺なんかよりお前らの方がよっぽど力もあるし…。リャン達が先に行った方が…」
「ジューゴ…頼む」
リャンの視線に、ジューゴは言い淀む。
彼の肩に手を置いて、私に意識を向けさせる。
「行くぞ」
眉を寄せたジューゴは、一度リャン達を見やったが、ぐっと堪えるように背を向けた。
それでいい。私も断腸の思いだった。
だけど、リャン達がもう一人の気配に気付いているなら、任せた方がいい。少なくとも私はその人物のことを何一つ知らなかった。
…どうか、どうか無事でいてくれ。
下唇を噛んで、階段を降り始めた。
＊＊＊＊＊＊＊＊
上の方で、大きな音が聞こえてくる。
きっとリャンとウパが戦っているのだろう。その激しさを感じられるほどだった。
つか階段長いな…。相当下に降りてるぞ。
あぁもう…ハニーの奴まーたトロワに突っかかってる…。
私もうアイツをからかう元気なんてないぞ。
ただでさえ非常事態なのに平然としてられるか。
こいつらの管理は私の責任だし。そこまで気ィまわせないんだよね。
まぁそれはそれとして。
「モテねぇってよ」
「モテねぇってよ」
「はぅ！！」
ジューゴがトロワにモテない宣言されたことをからかう他ないよな。
「やっぱお前モテねーのかぁ〜。俺の予想は当たってたか〜」
「ウノに予想されてるとかお前よっぽどだぞ」
「うっせぇ！てかいつ予想してたんだよ！」
「割と最初から」
「まぁジューゴがモテる道理なんてないのは始めからわかってたことだしな」
「お前らしつけぇぞ！」
「僕のモテる秘訣教えてあげようか？」
「そう言っててめぇは自分の自慢話しかしねぇじゃねぇか」
「なぁなぁ、ニコはどう思うよ。ジューゴがモテるかどうかさ」
ウノが後ろにいるはずのニコを振り返る。
が、そこにニコの姿はなかった。
「あれ？」
「あれ？」
「あれ？」
「「「あれえええええええええ！？」」」
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ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
