35-2 会敵、からの ページ28
リャンやウノ、トロワ達の声が聞こえてくる。
何をしている。いいか志乃、相手の動きをよく見ろ。
あれはただ切るというより、引っ掛けて切るタイプだ。鎌みたいな…。
刃があるのは上下の両面だけ、つまり側面には存在しない。
だったら…！
スピードにはだんだん慣れてきた。
動きをしっかり捉えられるようになってきた。
なら上等！対応できる！
ガギンッ！
伸ばされた鹿角鈎を柄で弾いて、体がガラ空きになる。
防御される前に、脛を鞘で殴り、体勢を崩させる。
そしたら下りてきた顔面に、
「ふっ！！」
グーパンチどーん！！
ぶん殴られた六力さんは反対側の壁まで吹っ飛んでった。
「鹿角鈎、か…。初めて見たが、意外と大したことねぇな」
「うわぁ…思いっきり顔面いったな」
「知り合い相手でも容赦ないですね」
「鬼かよ志乃さん…」
守ってやったのに何で味方からここまで言われなきゃならねぇんだ。
ひどくね？私血ぃ流してまで頑張ったのに。
つーかさっきからウパがこっちじっと凝視してくんだけど…。
えぇ…やっぱ新年大会でのことまだ根に持ってんのかな…。
「ねぇリャン…私何かしたかな…。ウパがこっちめっちゃ見てくるんだけど…」
「あぁ…志乃さんの動きに驚いてたんだろう。鹿角鈎は独特の型を持つから、それにすぐ順応したことに驚いているんだ」
「お…驚いてなんかいません！これくらいやってのけなければ、ここの看守は務まりませんよ！」
「私何も言ってないけど」
ウパすぐ怒って突っかかってくるからめんどくさいんだよ…。
カルシウム足りてる？大丈夫？カルシウムはしっかり摂っとけよ。
受験勉強、親との確執、気になるあの子、その全てに対応できる代物だからな。
だがまぁ、これで六力さんはしばらく動けないだろう。移動するチャンスだ。
「ジューゴ、今のうちに鍵を開けてくれ」
「あ、あぁ。わかった」
ウノ達が続くのを見送って、六力さんを振り返る。
リャンとウパが、私と六力さんの間に立ちはだかっていた。
「…何やってんだお前ら」
「志乃さん、すまない。先に行ってくれないか」
「ここは僕達が食い止めます。六力さんを止めたらすぐに追いますよ」
「はぁ？」
突然何を言い出すんだ。
六力さんは一時的に無力化してある。
ちゃんとそれくらいの力加減でぶん殴った。
なのにどうして。
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ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
