34-1 どうぞよろしく限界くん ページ24
物陰に隠れつつ、一体のキョンシーを確認する。
周囲に味方はいない。ここを通るのに、まずコイツを片付ければいい。
鞘に収めたままの刀を振るい、気配を消し背後から首を狙って打ち据えた。
力加減は、大体人の首の骨を折るくらい。音の大きさは仕方ない。
「オイ、出てきていいぞ」
壁に隠れているみんなを呼んで、通路に出させる。
「近くで見ると余計にキモいな、コレ…」
「オイ今すげぇ音しなかったか？」
「こいつの作りは人間に近い。だから首や心臓部分を狙えばしばらく活動を停止する」
「あー…こらニコ、あんま触んなよ」
ツンツンとキョンシーをつつくニコの首根っこを引き離す。
「オイオイこんなキモいのがいるなんて聞いてねぇぞ！なんで教えてくれなかったんだよ！」
「だって教えたら騒ぐだろお前…」
「君前回のテンションどうしたんだい？」
とりあえず一体倒した。
リャンに教えてもらった弱点をつけるとはいえ、こいつら全部倒していくのは…。
私一人じゃできないこともないけど、体力的にキツいかな。
ここはまだ地下一階だし、ここに主任達はいなさそうだし…無駄な体力を使いたくないしな。
「確かに俺達の大半が非戦闘員ばっかだからな〜」
「ホント使えねぇよなお前ら。自覚してんならせめて静かにしてろ。奴らは音で寄ってくるんだからな」
「志乃ちゃん辛辣…」
グッと胸元に両手を当てて、膝をつく。
もういい知らん。いちいち相手をしてたらしんどくなる。
「つーか地下五階まであるってことは、ハジメ達が見つかるまで一階一階見てまわらなくちゃいけねぇってことだよな〜。せめて何階にいるとかわかるだけでもいいんだけどな〜。流石に骨が折れるぜ〜」
その案を提示したのはアンタだろ。自分のこと棚に上げて何言ってんだよ…。
…ん？なんか気配一つ多くね？
ウノの後ろに、別の気配…人ってより物体の気配が…？
「誰だよさっきから俺の髪引っ張ってる奴ぁ！！」
ウノがバッと振り返ると、キョンシーが顔を覗き込んでいた。
瞬時に、ウノの悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない(絶望)
＊＊＊＊＊＊＊＊
で、今。大勢のキョンシーに一斉に追われています。みんな揃って全力疾走です。
無駄な体力使わない、「いのちをだいじに」作戦でいくんじゃなかったのかよ！？
おまけにここらも多少トラップは仕掛けられてるみたいだし、もう全部めんどくさい！
34-2 どうぞよろしく限界くん→←33-4 ぼくらの脱獄大作戦
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
