32-4 ヤバいヤバいヤバい ページ19
あ。ダメだ。これ想像しちゃいけないヤツだ。
あれ…なんか…胃が…。
うわぁああん！主任！何でいなくなっちゃったんですかぁぁぁ！
「最悪だ…最悪だ…」
「そんな奴が出てきたってのか…！？一体ここから出て何する気なんだよ」
「さぁな…。ただ私達がここに閉じ込められているのはきっと意味があるはずだ。もしかしたら殺されるかもな。だったらこの地下を利用したのも納得がいく」
「マズイ…このままだとクビが…クビが…！」
「オイオイ何冷静にネガティブな事言ってんだよ！そんなことわかってるならさっさと逃げた方がいいんじゃねぇのか！？」
「ふ…そんなことできたらこんな事言えるか…。ここの鍵は奴が持っているはず…。それにこの牢は特別製…。気功術も効かなければ壊すこともできない。足掻くだけ無駄なことだ」
「あーーーーうるっせぇ！！そんなんいいから！さっさと行くぞお前ら！！」
このままじゃ！私のクビが！危ないんだよ！
だがまだ間に合う！要はさっさとここから出てその悟空猿鬼とやらをとっ捕まえれば、何事もなく済むんだよな！？そうだよな！？
「さぁやれ！ジューゴ！」
「お、おう…」
ガチャン。パッカーン。
「何ーーーー！？」
リャンめっちゃ驚いてんだけど。
リアクション面白いな。いや手錠外せたらそりゃ牢屋の鍵も一発だって。
おかげで私らは常日頃コイツに目ぇ光らせないといけない羽目になってるんだけど、今回ばかりは話が別だ。
後で全部私の責任にしちゃえばいいし。事情が事情だから許してもらえるだろうし。
「…あれ？ニコ？何してんだ？」
「…い。…ない…ない…」
「何探してんだ？」
「お薬入った鞄無くしちゃった…」
「あー…さっき落ちてる最中にどっかいっちゃったか？」
「ジューゴくん一緒に探して〜〜」
「ああ、わかった」
ニコにとって薬が無くなるのはマズイからな。
うーん、でも部屋の外ではないだろうから、ここの辺りかと思うんだけど…。
ダメだ。薬の入った鞄は見当たらない。
なら、とっととここから出て全員を安全な場所に逃がすしか手は残されていない。
動くのなら早く動かねば。何もしなければ、ただただ事態は流れてゆく。
それに乗り遅れれば、そこに待つのは最悪の事態かもしれない。
私が、こいつらを守らねば。
主任も五舎の看守もいない。頼れるのは、自分だけ。
気を引き締めて、帽子を目深に被り直した。
33-1 ぼくらの脱獄大作戦→←32-3 ヤバいヤバいヤバい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
