27-2 生きろ ページ2
「へぇー。片腕での変形ができるようになったのか。これは驚いた。そこまでして生きたいと思う理由があるのか？化物」
と、ここでジューゴはあることに気付く。
刃物を突き立てられていた手が、自由に動く。
右手を見てみるも、傷痕が一切ない。
ナイフを埋め込まれていた耳にも…傷だけでなく血も流れていなかった。
おかしい。一体どうなっている。
「まぁ現状把握できただけでもよしとするか。でも今の段階ではちょっと不十分だ。まだ全然使ってないようだしな。もっともっと使ってくれよ。僕らの最高傑作なんだから。早く結果が知りたい。早く結果が見たいんだ」
まるで自分を、実験体のように…。
ギリ、と奥歯を強く噛み締めた。
「お前らの目的は一体何なんだ…。こんなものを作って、俺達の体を弄って…そしてそうやって、俺やムサシを笑ってやがるのか…」
「ムサシ？」
「とぼけるな…634番のことだ。アイツだって俺と同じだ。お前らの実験の道具にされて、欲しくもない力を手に入れて…お前と傷の男のせいで、アイツは苦しんでた…！」
「はぁ？」
再び縁に腰かけた少年は、ジューゴの話に眉をひそめた。
「てめぇさっきから何言ってんだ？僕はそんな検体知らねぇよ。余計な恨み言まで言ってくれんなよクソが」
「じゃあ…お前は『エルフ』じゃないのか…？」
「おかしな事言うんじゃねぇよ。僕は正真正銘『エルフ』。君の担当をしていた『エルフ』だ」
一体どういうことだ。ジューゴは、彼の話が読めないでいた。
同じ名前の、別の人物？それとも…。
「まぁその程度しか知らねぇなら、アイツが喋ったわけじゃなさそうだな」
「……アイツ…？」
「オイオイ、今度はお前がとぼけるのか？
ジューゴは息を呑んだ。
彼女は傷の男の元仲間だと自ら明言していた。
だが、今は全く関係のない、ただと看守であるとも言っていた。
ならば何故、この少年は志乃がここにいることを、彼女の本名まで知り得ているのか。
「アイツは僕らの監視の目をすり抜けて逃げ出しやがった。あの女は僕らにとって、貴重な検体なんだ。そしてその希少価値を、お前らは知りもしない。ここの看守共もそうだ」
「希少価値だと…？一体どういうことだ」
「そんなのお前が知る必要ねぇよ」
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ミサ(プロフ) - イマツギさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年5月2日 1時) (
レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年5月2日 1時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね！更新頑張ってください！ (2020年5月1日 20時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！！ (2020年4月25日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2020年4月25日 15時
