『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ9)

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150-2 くす玉割りゲーム…？ページ9

そう言われて、他舎の代表を見てみる。
キジさんvs.流可にはアキが、猿門さんには十舎の十箱主任と九舎の九尾主任が襲いかかっている。

何だこの状況…？くす玉をめぐってのバトルはまぁ想定内だけど、明らかに相手を潰そうとしているみたいだ…。
こんなの一歩間違えたら失格もんだぞ。それをわかって敢えてやってる、なんてことはしないメンツだと思うんだけどなー…。

いや、それより目先の事態の方がヤバい。なんとかDから逃げているけど、主にウノがうるさい。
追いつかれそうになる度に叫ぶのやめろ。耳が痛えんだよ！

「どうしたD！一体何が…」
「すまない…っ、避けてくれ…！」

本人の意志じゃないのは明らか。Dがそんなことするなんてありえないし。

…まさか、誰かが操ってる？
そんな事ができる奴なんていたか？一体誰が……？

「…………」
「志乃ちゃん！？ちょっと考え込むの後にしてくれない！？前！前見てぇえええええ！！」
「！」

ハッと顔を上げると、Dが私達めがけて飛び上がっていた。

「くそっ」
「へ？」

このままじゃすぐには逃げられない。
せめてウノだけでも、と彼を全力で宙にぶん投げた。

「イヤぁああああああああああああ！！！」

絹を裂くような悲鳴が遠のくのを聞きつつ、足を振り上げるDに向き直る。
迎撃の体勢に入ろうとした瞬間、別の気配がこちらに向かってくるのを感じた。

ドゴォ！！

Dの蹴りが足場にヒビを入れるところを、私は何故か上から見下ろしていた。

気付けば、私は何者かに横抱きされている。
Dを迎え撃とうとした矢先、誰かに助けられたらしい。

「これはくす玉を割る競技じゃなかったのか。何故誰一人ルールに従わず各々暴れまわっている。そんな奴らには、いつか死神様からの罰が下るであろう」

鉄仮面を被ったシスター服姿の男ーーシスが、私をお姫様抱っこしていた。