『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ8)

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150-1 くす玉割りゲーム…？ページ8

Bブロックが開始されてからというものの、私達十三舎は余裕を隠さない。
というか、Bブロックのくす玉割りに参加するつもりが全くない。階段ではなく宙に設置された足場を見上げて、伸びをする。

だって私ら、さっきのAブロックで勝ったもん。だったらこっちでわざわざ勝つ必要ないじゃん。ここで負けても第三種目に進めるし。
つまるところモチベーションは0です。全くやる気がありません。

なのでこれが終わるまでは逃げ一択。私達を脱落させると「お年玉」が手に入るわけだから、それをさせないために逃げるか返り討ちにする、くらい。
出来れば余計な稼働をさせないでほしいな〜。察してくれよお前ら。

「なぁなぁ志乃ちゃん」
「あ？」

隣に立つウノが、私の肩をちょんちょんとつつく。
ウノの視線の先を辿ると、十二舎のミーラとケペル主任が立っている。

「アイツら、さっきから全然動いてねぇんだよ」
「確かに…あの二人が動いてる気配は無かったな。それが？」
「いや、なんか不気味だなーって思ってよ」
「そうか」

まあ、言わんとしてることはわかる。こんなにわちゃわちゃ動いてる競技の最中で、あそこまで動かないって意味わかんない。私達が言えた事じゃないけど、そこはそれ。
勝ち抜けたくないのか？そんなまさか。だったら第一種目で何かしら理由つけて脱落くらいするだろう。

不意に、背後からこちらに迫る気配を感じ取る。
まるでバイクのエンジンみたいな音がする。ん？もしかして…。

「そこの二人っ…！今すぐそこから…いや、俺から離れろっ…！」
「「へ？」」

振り返ると、Dが険しい表情でこちらに対し構えをとっていた。
何だ？と思う間もなく、Dが加速し始める。

「は！？」
「ししし志乃ちゃーーーーーーーーーん！！」
「何何何何！？」

咄嗟の判断で、傍らで泣き喚くウノを抱えてジャンプする。私達のいた地点に、Dの蹴りが入った。
うっわ、かなりヤバい威力。これはしばらく逃げに専念しないとマズイか…？

とりあえず、上の階に逃げよう。地上じゃあまり壁や逃げ場が少ない。
肩に抱え込んだウノが、周囲を見て気付いたことを、私に伝えてくる。

「志乃ちゃん、他の連中もなんかおかしい事になってんぞ…」
「！」