『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ7)

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149-2 Bブロック開始！ページ7

「じゃあお前もその呼び方やめろ。私には吉田志乃って名前があるんだ。アンタが改めるんなら私も呼んでやる」
「変わってないねぇ、その上から目線…！その態度も今のうちだって覚えておきな」
「ハッハッハッ。やってみろクソカマ河童」

嘲笑うように吐き捨てると、カマ河童は歯を食い縛ってこちらを睨みつけた。
フン！いくら怒ろうと私からすれば負け犬にしか見えないね！

つーかこの時点で私の中で負け犬確定してるとか面白すぎるだろ。雑魚かよ。ざーこざーこ。

「あら志乃ちゃん。そういえばアナタのチームの囚人は？」
「えっ？」

キジさんに指摘されて、ふと辺りを見る。
あれ？そういえばアイツ(・・・)がいない。

パッと出入り口に視線をやると、抜き足差し足で帰ろうとしてるバカの背中を見つけた。

「何してんだクソ野郎」

発見した私は即座に走り出し、逃げようとした奴の長い三つ編みを掴んで引っ張った。

ここまで言えば、皆さんお察しの通り。私の相方はウノだ。
ウノは壁にしがみつき、ぎゃんぎゃん泣き叫ぶ。

「イヤだぁぁーーーーー！化粧オバケが二人もいるなんて聞いてねぇもん！！」
「うるせぇ私だって嫌だわ！何が悲しくてあのオカマコンビと同じ空間にいなきゃいけないのかわかんないままここにいるんだから！駄々こねんな働けぇ！！」
「「誰が化粧オバケだ！」」
「お前らのことに決まってんだろーがバーカ！！」

黙れ！こちとらこのバカ三つ編み説得するのに忙しいんだよ！
なんとか引き剥がして私のメンタル的な不安をコイツにも加担させなきゃダメなんだよ！

かくなる上は。私は壁にしがみついてるウノの背中に抱きつき、首に手をまわす。

「あだだだだだ！！待って！志乃ちゃん死ぬ！俺死ぬ！！この体勢はヤバっ……わかりました！出ます！出ますから放してぇえええ！！」

よし、これで生贄をもう一人手に入れた。
私はウノから言質をとった瞬間に手を放してやる。

Bブロックの開始の合図が、今まさに発されようとしていた。