『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ21)

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154-1 攻略法ページ21

でも、こいつの言いなりのまま、操られてる看守や囚人と戦うのは面白くない。なんとかして、この人形劇を終わらせなければ。

それを攻略するには、大きな問題がある。ケペル主任の防壁だ。
さっきいろんな手段で破壊を試みたけど、どれも上手くいかなかった。それどころか、傷一つすらつけられない。
まったく、“万人斬り”が聞いて呆れる。なんとかして別の手を考えなきゃ。

何かないか。外からの攻撃でなく、中に入り込む手段は。私の手から離れて、自分で勝手に動いてくれるもの。それかもしくは、私が中に入れるようにしてくれるもの。
…考えてみるものの、何とも都合の良いもんだな！そんなのこの場にあるか！？あったとしてそれが私に扱えるか？

ビュッ！

「！」

ギィンッ！！

風を切って何かが接近してきたのを、勘だけで弾き返す。
まるで鉄のような感覚だ。形状はボール…。これはアキのか。

「すまないっ…！本当は、君にこんな事をしたくないのに…」
「わかってる。皆まで言うな、アキ。大丈夫だ」

スピードも威力も、並のそれじゃない。ただ普通にボールを打っただけで、こんな事になるか？

「おいアキ！お前の持ってるボール、普通じゃねぇよな。一体どうなってる」
「…？このボールのことかい？これは俺の打つ力や速度によって、威力や方向を操作できるマシンなんだ。こいつを止めるには、破壊するしか…」
「なぁ、これって誰でも扱えるか(・・・・・・・)？」
「えっ…？」

私の質問に、アキはどういうことだと怪訝そうにこちらを見つめ返す。

ええい、いいから早く教えろ！こちとら時間がねぇんだよ！
ていうか、ここまで情報ベラベラ喋っちゃって大丈夫なのね？操られてるとはいえ、そこまで行動が制限されるものではないのか…。

「手元に戻ったらもう一度放つまで、こいつは自由になるけど…」
「っしゃ！もう一発来いてめぇコラ」
「なっ！？何を言ってるんだ君は！」

くいくい、と手をこちら側に動かして、716番を挑発する。
っしゃあ来いやオラ。やってやんよコノヤロー。ボールごときにこの私が負けるわけねぇだろ、かかってこいよ。

私の行動に驚いたのか、流可の叫びが飛ぶ。

「ちょっとアンタ、一体何するつもりだい！？」
「あ？あー、ちょうどいいや。流可、お前も手伝え」
「はぁ！？」

こっちに近付いてきた流可の腕を掴み、ぐっと引き寄せる。耳元で流可の行動を指示してから、すぐに手放した。