『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ14)

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152-2 この世で最も強い奴ページ14

…くす玉の匂いを感じ取れ。わかってる範囲で、「×」のくす玉は爆弾か鎖のどちらかが入っている。
爆弾には少なくとも火薬の匂いがするはずだ。それを頼りに、欲しいものを選び取る。

火薬の匂いを辿って、くす玉の一つめがけて布を振るう。
布でくす玉を捉え、スリングのように用いてケペル主任に投げつけた。

ボガァン！！

刀で斬れないなら、それ以上の威力を持つものでぶっ壊すまでだ。
もしこれでヒビの一つでも入ろうもんなら、即座に突っ込んで刺しに行く。そのために、体勢を整えた。

硝煙の中、ケペル主任達のいる方向を凝視する。煙の隙間から、その姿を捉えた。
その瞬間、全力で加速する。そのまま突きを繰り出し、バリア内の金ピカマスクを穿とうとした。

ガギィッ！！

「…チッ」

どうやら爆弾でも、このバリアは壊せないらしい。切先は見事阻まれ、中にいる十二舎代表は傷一つついていなかった。

クソが。これじゃあ最早、内部破壊しか手立てがないじゃねーか。
ここで地面潜って侵入すればいいじゃんとか言う奴は間違いなくバカな。コストがかかりすぎんだよ。効率が悪いの目に見えてる。

さぁて、どうすっかなぁ…。思考のため頭をまわそうとしたその時、上空から何かが私の目の前に落ちてきた。
衝撃が凄すぎて、軽く地震みたくなる。威力ヤバすぎない？何が落ちてきたのよ。

煙が晴れると、Dの姿が現れた。しかも、シスに締め上げられている。
何！？どういう状況？そんなことより、体格的に上のD相手に関節技で対抗するのはいい手だと思う。一体何の考察だろう。

「安心しろ、このまま失格にするつもりはない。少し寝てもらうだけだ。事が済んだら起こしてやる」
「…わかった…。今は…それでいい…」

ぐらり、とDの体が傾く。
地面に伏す前に、私は手を差し伸べ彼を受け止めた。

「D！」

って、重っ！？
くっ、わかってたけどやっぱ体格差の影響ヤバい！私か弱い少女なの！それが自分より背高くて筋肉もある成人男性抱えてんの！頑張ってるの私！