『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ13)

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152-1 この世で最も強い奴ページ13

落下で加速をつけて、その力を伴い刀を振り抜いた。
狙いは当然ケペル主任。今のところ開示されてる情報では、ケペル主任が4人を操ってるらしいからね。まぁ狙うわな普通。
しかし、渾身の力を乗せた刀は、ケペル主任との間に現れた防壁に阻まれた。

ふぅん。ま、これくらいはやるよな。じゃないと自分がやりました、なんて言える余裕があるわけない。
一撃だけで壊れないなら、連打でいこう。ということで、高速で斬りつける。

ガガガガガガガ！！

…手応えはない。全部弾かれてんな、これ。視認すると、やはりバリアには傷一つない。
なるほど、操りのカラクリだけでなくこのバリアも攻略しなきゃならんとは。厄介だな。

「志乃ちゃん危ない！」

キジさんの声が飛んだと同時に、背後に迫る物体の存在を認める。振り返ると、こっちに一直線に飛んでくるバレーボールがあった。
こちらが対応する前に、強烈な風がボールを阻む。

「まったく。急に割り込んだ挙句よそ見だなんて、随分余裕があるんだね」
「あ？」

風の正体は、流可の芭蕉千によるものだった。私と視線を合わせ、余裕の笑みを浮かべる。うわなんかムカつく。とりあえずムカつく。
殴りたい、この笑顔。そんなスローガン掲げてます？貴方。

「ボールごときを弾いただけで何調子乗ってんだ関東ローム層化粧カマ河童」
「何だってぇえええ！？」
「ちょっとアンタ達喧嘩してんじゃないわよ！そんな状況じゃないでしょ！」
「うるせぇ正論言うな六法全書メイクのクソカマ鳥が」
「何ですってぇぇぇ！？」

も〜二人ってばホントのせやすいんだから〜。思わず罵倒しちゃったじゃない。ついついイジりたくなって言っちゃったじゃない。
やめてよ今そんな状況じゃないんだから。目の前のミイラバリアを壊すのに集中したいのに。

一太刀で斬れない、何度斬りつけても斬れない。ならば、次はこれだ。
腰のポーチから長い布を取り出し、周囲を飛んでいる「×」のくす玉に狙いを定める。