『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ12)

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151-3 反撃の準備ページ12

明らかに怪しい奴、つまり最初から動いてない十二舎代表な。
その答えを、当の本人であるケペル主任が教えてくれた。

「その通り。全ては妾の術によるもの。お前達には妾の操り人形として、ここで潰し合ってもらう」
「潰し合う？」
「簡単な話だ、くす玉など割らずとも全員を失格にした方が早い。わざわざ生き残りを出すなど手ぬるい方法は好かん。この競技も潰し合いにはちょうどいい。妾はまどろっこしいのが嫌いだ。くだらん余興などに付き合うつもりはない」

…………ふぅん？なるほど。まどろっこしい事が嫌い。さっさとこの競技を終わらせて次に進みたい。
ふーん、なるほどねぇ？そんな事言う人が、こんな非効率的なことするんだ？不思議なモンだねぇ。

「オイオイなんかやべーじゃん。まさか人間を操る能力を持つ奴がいるなんて聞いてねーよ」
「仕組みさえわかれば解けそうだけどな。何か気付いたことあるか？ウノ」

私にそう問われると、ウノは目を見開いた。
あれ？気付いてた？みたいな顔すんな。どれだけお前とツラ突き合わせてきたと思ってんだ。こちとら元殺し屋だぞ。他人の機微には敏感なんだって。お前マジでナメんなよ私のこと。

観念したように、肩を竦めてウノは口角を上げる。

「そうだなぁ。まだ確信もない、ただの勘になっちまうけど。ちょっとした違和感はあったかな」
「だろうな。お前も私も考えてる事は同じわけだ。なら、そっちはウノとシスに任せる」

チラ、と既に攻撃体勢に入っているDさんを一瞥する。

「志乃さんはどうするんですか？」
「私は元を断つさ。あのふざけたミイラ野郎共をぶっ潰す」

腰に提げた刀を手に取り、刀身を引き抜いた。そして、地上の十二舎チームを見下ろす。

忘れたか？今日の私はバトルモードだ。つまり切った張ったの世界を欲している！

「ちょっとは楽しませてくれよ？ミイラ野郎」

足場を強く蹴り、勢いよく飛び降りた。