『万人斬り』の刑務官【ナンバカ】season:12 (ページ11)

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151-2 反撃の準備ページ11

「オイ。さっきから何を話している」

あ。シスを放ったらかしにしてた。ごめんごめん。忘れてたわけじゃないよ？一応これは嘘じゃない。
くるっと振り返ったウノが、笑顔を貼り付けて対応する。

「い、いや〜、何でアンタが志乃ちゃんを助けてくれたのかな〜って。もしかしていい人なのかな〜…なんて」
「勘違いするな。彼女は今、死神教への勧誘中だ。未来の仲間となる人を失うわけにはいかないからな」
「あ、そう…」
「それに、今お前らを潰されれば『お年玉』が得られなくなる。十三舎を潰すのは僕だ。それまで誰にも譲るつもりはない。それだけだ」
「ちなみに私も潰すの？」
「まさか！志乃さんは別ですよ」
「うぉおおい！！志乃ちゃん何自分だけ逃れようとしてんだよ！！」

よし言質とった。これで私の無事は再確認された。
ぶっちゃけシスの実力がどんなもんなのかわからんから、すぐこっちから倒しに行くという選択肢が一番手に出てこない。
そういう場合は戦いを避けるに限る。これ戦場で長く生きるためのコツね。

「今ここでお前を潰すのは簡単だが、今はこの状況をなんとかするのが先だ。貴方もそう思うだろう？」
「……あの操られてる4人を助ける、って？」

ウノを一瞥したシスと共に、異変の起こっているステージを見下ろす。
D、アキ、九尾主任、十箱主任は勝手に動く体に抗おうとしているけど、どうも叶わないみたいだ。自分の意思で体を止められない＝操られてる確定。このままだと失格者が続出して競技として成り立たない。

「ああ。このまま看守同士が潰し合えば、狐異ノ助さんが失格になってしまう。それは困るんだ。何とかしたい」
「まぁ、犯人はわかってるようなもんだけどな」
「え？まさか志乃ちゃん、犯人に見当ついてんの？」
「明らかに怪しいのがいるじゃないか」

ウノの奴、探りのために気付いてないフリしてんな〜。
さっき私に耳打ちしてきたくせに、こいつに限ってそれを忘れるはずがないからな。ジューゴじゃあるまいし。